アシストは多かった清武だが課題も
香川真司の活躍で一躍ブンデスリーガのクラブの注目を集めるようになった“2列目の日本人選手”。ニュルンベルクの清武弘嗣とフランクフルトの乾貴士はその典型的な例だろう。共にチームの中心選手として活躍し、存在感を示した。
日本代表でも武器になりつつある2人を専門家はどう見ているのか? ドイツのS級ライセンスを保持し、実際にブンデスリーガのクラブで指導歴のある鈴木良平氏に語ってもらった。
――清武は移籍1年目にしてニュルンベルクでレギュラーを獲得。司令塔としてチームの攻撃をオーガナイズしました。
「右サイドハーフ、あるいはトップ下で出場することが多かったですが、何よりポジションを確保したこと。これは高く評価できますね。ご存知のように攻撃の中心選手となりました。チャンスはほとんど彼から生まれています」
――確かに。セットプレーで多くのチャンスを演出しました。
「彼の特徴は比較的長い距離でも、強くて正確に蹴ることができることです。ニュルンベルクは背の高い選手が多いですから、そういうチームに入って清武の良さが活かされましたね。チャンスをつくるだけでなく、アシストを記録し続けたというのも大きいでしょう」
――ドイツでも評価は高いと聞いています。より上位のチームへの移籍というのは?
「いや、まだそのレベルではないでしょう。流れの中でのゲームメークという意味ではまだ物足りないですし、得点も足りません。香川が評価されたのは先制点や決勝点など試合を決定付けるゴールをいくつも決めたからです。来季の課題はそこにあります」
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