フォルムの出場は選手からの願い。チームの一体感をさらに強調
オランダは7月12日のブラジル戦を3-0で大勝し、今回のW杯を3位で終えた。
この健闘に翌朝の『アルヘメーン・ダッハブラット』は、1面トップにカイトとロッベンが満面の笑みと共に誇らしげに銅メダルを持った写真を掲載。「銅メダルに喜ぶ」という大見出しをつけた。また『デ・テレフラーフ』紙は「オランイェ、ありがとう」とタイトルをつけた。
オランダ語では3位決定戦の事を「慰みの決勝戦」という言葉で表現する。アルヘメーン・ダッハブラット紙は綴る。
「この試合は、やる前は酸っぱいリンゴのような味がしたが、オランイェは昨日、首に銅メダルをかけて誇らしげにブラジリアのフィールドを去って行った。“慰みの決勝戦”でオランダはブラジル相手にとても素晴らしい試合をし、3-0で勝った」
『デ・テレフラーフ』紙によれば、選手たちはフォルムを先発で出すよう、ファン・ハール監督に要望していたという。ファン・ハール監督は言う。
「私は『駄目だ。それは出来ない』と言った。なぜなら、我々はこの試合を勝ちたいからだ。しかし、試合が2-0だったので、フォルムを入れようとした」
フォルムがウォーミングアップしている中、オランダはワイナルドゥムが駄目押しの3点目を入れ、アディショナルタイムに出場機会が訪れた。このシーンを『アルヘメーン・ダッハブラット』紙はこう描写する。
「試合終了直前、今大会登録された23人の最後の選手としてミシェル・フォルムが交代出場しようとしたとき、ファン・ハール監督は激しく拍手をしていた。
この交代はチームの一体感をさらに強調する、今大会のオランダを象徴するものだった。ベンチ全員がダッグアウトのずっと前まで出て来て、大きな笑みを浮かべながら拍手をしていた」
23人の全選手がプレイしたのは、W杯史上、今回のオランダが初めてだった。