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【写真:Getty Images】
なぜ三笘薫のドリブルは日本代表で生かされないのか?
三笘薫は6月の4連戦すべてでプレー機会が与えられた。先発起用されたパラグアイ代表戦ではゴールを決め、左サイドから幾度となくチャンスを作った。ガーナ代表戦でも圧巻のパフォーマンスを見せ、前半に得点、後半には久保建英のゴールをアシストしている。
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チュニジア代表戦で出番が訪れたのは先制を許した直後の60分。早速、63分に仕掛けてコーナーキックを得ると、その2分後には相手4人の間をかいくぐろうとした。しかし、相手も警戒しており、時間の経過とともに仕掛ける頻度は減っていった。終盤に見せたアウトサイドのクロスなど、効果的なプレーもあったが、決定的な場面を作り出すことはできなかった。
3月のアジア最終予選・オーストラリア代表戦で、日本代表のW杯出場を決めるゴールを挙げ、ここまで7試合で4得点2アシストという圧倒的な数字を残している。もちろん、三笘にかかる期待は大きい。
しかし、ブラジル代表とチュニジア代表との2試合で、三笘の限界が見えたことも確かである。ブラジル代表戦ではマッチアップしたエデル・ミリトンに封じられ、チュニジア代表は複数で対応することで三笘の侵入を防いだ。コーナーキックになる場面は増えても、今の日本代表はセットプレーを得点源にできていない。世界の強豪を相手にすると、三笘の仕掛けが決定機にはつながらないというのが現実である。
これは決して三笘の能力の問題ではない。ベルギーリーグでの今季の活躍からもわかる通り、三笘のドリブルはトップレベルでも武器になるはずだ。しかし、問題なのはそれを生かす術が日本代表にはないことである。チュニジア代表戦ではアイソレーションした三笘が単独でドリブルを仕掛ける場面が目立ち、組織としての連動は見られなかった。
語弊があってはいけないので補足すると、三笘が世界レベルの相手と戦うのに値しないのではなく、日本代表が三笘のドリブル頼みで世界と戦うのは無理があるということである。来日から間もなく、コンディション調整もままならないガーナ代表やパラグアイ代表には絶大なる威力を発揮する。しかし、ブラジル代表のようなワールドクラスの選手や、チュニジア代表のように対策を講じてきた相手にはでは通用しない。6月の4試合で分かったのは、“戦術・三笘”の限界だった。
残された方法は2つ。単独突破ではない三笘を活かす術をチームとして探す。もしくは、三笘を使わない戦い方を見つける。どちらも今の日本代表にとっては簡単ではないだろう。
【了】