西村主審に批判の声があがるが…
W杯開幕戦ブラジル対クロアチアの西村雄一主審のPKの判定が、いまもサッカーファンの居酒屋談義でホットな話題となっている。
「ペナルティーエリア内では少々のファウルには笛を吹かないのがサッカーの常識でしょ。だからあのくらいのプレーでPKをとっちゃいけないんだよ」とサッカー経験者がとくとくとして語る。
別のサッカー通が話を続ける。「後半にブラジルのGKとクロアチアのアタッカーがせり合った微妙な場面があったでしょ。西村さんはあれをキーパーチャージとしたけど、GKのファウルとしてPKにしてしまえばよかったんだよ。そうすれば前半のPKとチャラになって、クロアチアの選手たちも怒らなかったのに……」
さて、この2つの意見、ほんとうに正しいのだろうか。
日本サッカー協会前審判委員長を務めた松崎康弘氏の著書『ポジティブ・レフェリング ファウルが減る! ゲームがおもしろくなる! 驚きのサッカー審判術』(発行:デコ)によれば、答えは“どちらも間違い”。
ペナルティーエリアの内と外でファウルの基準は変わらない。競技規則の第14条ペナルティーキックにも次のようにだけ書かれている。
「直接フリーキックを与える10項目の反則のひとつを、自分のペナルティーエリアの中でボールがインプレー中に犯したとき、相手チームにペナルティーキックが与えられる」
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