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「オフェンスはディフェンスから」。サッカーチームの理想を体現したドイツ。ブラジルは主将とエースの穴を突かれて歴史的惨敗

今大会屈指の好カードであり、優勝候補同士の激突となったW杯準決勝ブラジル対ドイツ。しかし、結果は7-1。歴史に残る惨敗を喫したブラジルだが、その要因はやはり主将とエースの不在にあった。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

守備が強いからこそ攻撃に出ることが出来る

「オフェンスはディフェンスから」。球技における基本原理とも言えるこの言葉を最も体現しているのはドイツ代表かもしれない。

 ショートパスを繋いだポゼッションサッカーを基本としながも、得点シーンの多くはカウンター。高い位置から奪っては一気にゴールまで運んでいく様は、まさに“攻撃的な守備”。守備が強いからこそ攻撃に出ることが出来る。

 スタッツを見ると、ポゼッションではブラジルの51%に対してドイツは49%。しかし、パス本数ではブラジルの547本を上回る592本を記録。シュート、パス、クロスのブロック数でもブラジルの13本に対して18本と相手を上回った。

「オフェンスはディフェンスから」。サッカーチームの理想を体現したドイツ。ブラジルは主将とエースの穴を突かれて歴史的惨敗
前半のヒートマップ(ブラジルは下から上が攻撃方向、ドイツは上から下が攻撃方向)
引用:squawka.com

 ポゼッションなのかカウンターなのか、攻撃的なのか守備的なのか、前に出るのか後ろに引くのか。そのような二元論はナンセンス。全ての要素をバランス良く、かつハイレベルに備えているドイツ代表は、サッカーチームの理想を体現した。

 そして、この試合でその中心となったのは2得点を挙げたMFトニ・クロースだった。走行距離では、MFバスティアン・シュバインシュタイガーの12.6kmに次ぐ全体2位の11.7kmを記録し、パス本数では全体トップとなる63本を通してマン・オブ・ザ・マッチに選出された。

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