「みんなの力が一つになった時、大きな力が生まれる」
W杯優勝経験を持つウルグアイ、イタリア、イングランド、そしてユーロ王者であるギリシャにオランダと、コスタリカはヨーロッパの強豪国と互角以上の戦いを演じ、記録上では無敗のまま終戦を迎えることとなった。
大会を通じて抜群の機能性を見せた組織的な守備は最後まで崩れず、失点はウルグアイ戦のPKと、ギリシャ戦のパワープレーに屈した計2ゴールのみ。
キャプテンのブライアン・ルイスが「人生を懸けた戦い」と語ったオランダとの準々決勝も、危ない場面は多々ありながらもゴールを許すことはなく、13個のオフサイドを奪取するなど強気な姿勢を見せ続けた。惜しくもPK戦で敗れたが、戦いを終えた選手たちに涙はない。
「我々は負けなかった。今回のW杯では素晴らしい経験をさせてもらえた。全力を尽くして戦ったし、サポーターも応援してくれた。みんなの力が一つになった時、大きな力が生まれる」
そう振り返った守護神ケイロール・ナバスを始め、選手全員が客席からのスタンディングオベーションに堂々とした態度で応え、満足げな表情を浮かべていた。
コスタリカ国民の間にも、素晴らしいパフォーマンスを見せ続けた代表チームをたたえる声が広がっている。
一般紙『エル・ナシオン』のWEB版は、「冒険は終わった。しかし代表チームの伝説は永遠に生き続けるだろう」という見出しで試合のレビューを掲載。「ありがとうセレ(代表チームの愛称)! 素晴らしい物語だった!!」という感謝の言葉で締めくくっている。
大衆紙『アル・ディア』のWEB版を見ると、コスタリカはオランダよりもはるかに優れていた、という論調の記事が目を引いた。
「ガリア・モラーダのほうがチューリップよりも美しく咲き誇った。ゴーダチーズは穴だらけだったが、トゥリアルバのチーズは粘り気があった。チリポ山が低地の国を見下ろしていた」