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ブラジルは“ネイマール依存症”から脱却できるか? 鍵握るフレッジの使い方と偽9番布陣

自国開催のW杯で勝ち進んでいるブラジルだが、苦しい戦いが続いている。問題は“ネイマール依存症”。10番を背負うエースへの比重があまりに強くなっている。優勝するにはここを脱却しなくてはならない。

text by 下薗昌記 photo by Getty Images

ネイマールが得点しないと勝ち切れない

ブラジルは“ネイマール依存症”から脱却できるか? 鍵握るフレッジの使い方と偽9番布陣
ネイマール【写真:Getty Images】

 ネイマール依存症――。開幕戦から未だ本領を発揮し切れていないブラジル代表は、兼ねてからの懸案材料を払拭し切れていない。

 決勝トーナメント1回戦でチリは試合開始早々に、カナリア軍団のエースをつぶしにかかったが、それは当然の策だった。

 コロンビアとの準々決勝が行われるフォルタレーザに向かう直前の2日、ネイマールは会見で「ピッチ内外で僕に過度の負担がかかっているとは思わない。僕には手助けしたり、ボールを奪ったり、ゴールを決めたり、パスをくれたりする仲間がいる。一人で全てを決める必要がないのがブラジル代表なんだ」と話したが、4試合で残した数字は雄弁に語る。

 チリ戦までの4試合で2勝にとどまるブラジルだが、勝利した試合はいずれもネイマールが2ゴール。逆に沈黙した試合は引き分けに終わっている。

 強気な指揮官自身もチームの低調さを認める有り様ではあるが、現在のセレソンの持ち味でもある守備面に関しては4試合で計3失点。ダニエウ・アウヴェスとマルセロの守りには危うさが伴っているものの、ボール奪取の回数は8強中最多の105回と一定の機能性は見せている。

 だからこそ、エクサカンペオン(6度目の王者)に向けた最大の懸案事項は湿りがちな攻撃陣にある。過去に優勝を勝ち取ってきたブラジルには1970年大会のペレやジャイルジーニョ、1994年の世界最強2トップ、ロマーリオとベベット、さらには2002年のロナウドに代表されるワールドクラスのアタッカーが存在していた。

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