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三笘薫「どんな相手も抜いてチャンスを作らないと」。サッカー日本代表戦初のフル出場で実感「スタメンが少ないのもわかる」【W杯アジア最終予選】

text by 編集部 photo by Getty Images

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三笘薫
【写真:Getty Images】



三笘薫が日本代表戦初先発で感じたこととは?

【日本 1-1 ベトナム カタールW杯アジア最終予選】

 カタールワールドカップアジア最終予選の最終戦が29日に行われ、サッカー日本代表はベトナム代表と1-1で引き分けた。



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 24日のオーストラリア代表戦から先発メンバーを9人変更したことで、多くの選手たちにチャンスが回ってきた。そのうちの1人、MF三笘薫は日本代表戦で初めての先発フル出場。しかし、手応えよりも課題を多く感じたようだ。

「自分のプレーに全く納得していないです。ゴールに絡むプレーができずに、セットプレーで難しい展開になってしまいましたけど、その後も単調というか、なかなか崩せず課題の多い試合になったと思います」

 日本代表は20分にコーナーキックから失点してしまった。三笘は再三のドリブル突破で左サイドを切り裂いたが、なかなか同点ゴールに結びつけることはできず。「どれだけチャンスを作れるかと、ゴールに結びつけられるかがずっと課題ですし、攻撃も守備ももっと強度高くやらないといけないと思う」と口を突いて出てくるのは反省の弁ばかりだった。

「自分のプレー的には推進力を出せたところはありますけど、その分、後ろのケア(が疎かになるところ)だったりオープンになるところはあるので、スタメンが少ないのもわかります。それでも、そういったところで結果を出せればスタメンでも使ってもらえると思います。

今日は数字を残したかったですけど、悔しかった。ワールドカップが決まった状態だったのがよかったですけど、決まっていない状態でこういうプレーをしてしまえば、本当に難しくなりますし、(相手が)強豪になった時に本当に難しいと思うので、まだ自分の能力もそうですし、いろいろなところを追求していきたいと思います」

 三笘はベルギーで左ウィングバックに挑戦し、攻守にタフさが増していることを森保一監督も高く評価していた。オーストラリア戦では後半終盤の途中出場から約10分間で2得点を挙げるなど結果でも大きなインパクトを残し、ベトナム戦の先発を勝ち取ったが、重要なチャンスの場では「自分としては強度が全く足りていないと思います。世界の選手はずっと仕掛けられる能力もありますし、守備でもタフに戦える。そこを求めてやっていくので、これからまだまだそこを伸ばさないと代表にも関わっていけない」と課題の方が浮き彫りになったようだ。

「1対1の勝負や当たりの違いもあり、球際の数は日本より多いので、そこは成長したところもありますけど、90分通してのタフさはまだまだ全然足りない。今日のプレーでも、もっともっとスペースがなくてもどんどん仕掛けれるところを作ったり、1人で打開しないといけないと思いますし、そこは課題かなと思います」

 ただ、進むべき道は明確になった。初めて日本代表で2試合連続出場や先発出場という機会を得たことで、改めてワールドカップに向けて取り組むべきことが三笘の中で整理されてきている。

「攻撃のバリエーションを増やす、能力を増やすという意味では、シュート練習を増やさないといけないですし、どんな相手も抜いてチャンスを作らないといけないですし、守備で前線からプレスをかける強度も増やさないといけない。

(クラブでの)ポジションは今、ウィングバックをやっていますけど、代表でウィングをやった時に結果を出さないといけないですし、いろいろなポジションでもやれる強度と、どんな状況でも試合に出場できるタフさを求めてやっていきたいと思っています」

 三笘はまだ進化の過程にある。6月に再び日本代表として集まるまで、欧州での残りのシーズンを大切に過ごしたい。オーストラリア戦とベトナム戦で得た感覚は、きっと今後のキャリアにおける財産になるはずだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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