なでしこジャパン最新ニュース
【写真:2022 Asian Football Confederation (AFC)】
【日本 2-2(PK 3-4) 中国 AFC女子アジアカップインド2022】
AFC女子アジアカップインド2022の準決勝が現地3日に行われ、なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)は中国女子代表と対戦し、延長戦まで120分間を戦って2-2の同点、そしてPK戦の末に敗れた。
なでしこジャパンは7-0で大勝した準々決勝のタイ女子代表戦からスタメンを3人変更。GKに山下杏也加、ディフェンスラインに右から清水梨紗、熊谷紗希、南萌華、乗松瑠華、中盤ボランチに長野風花と林穂之香、右サイドに長谷川唯、左サイドに宮澤ひなた、そして2トップに植木理子と岩渕真奈が先発起用された。
序盤からボールを支配して主導権を握ったなでしこジャパンは26分、流れるような崩しから先制点を奪う。長野からのパスを受けた宮澤が左サイドからワンタッチクロスを上げると、完璧なタイミングで飛び込んだ植木が頭で合わせてゴールネットを揺らした。
前日に「自分のゴールでチームを勝たせられるようにやっていきたい」と話していた伸び盛りのストライカーは、今大会4点目でチームに勢いをもたらした。ただ、なでしこジャパンはボールこそ持てているものの、組み立ての局面でミスが多く、なかなか攻撃のテンポが上がらない。
中国にほとんどチャンスを作らせてはいないが、1点リードでもやや不安の残る展開のまま前半を終えた。
後半の立ち上がり、なでしこジャパンは一瞬の気の緩みを突かれて失点を喫することとなった。開始直後の46分、右サイドで相手ボールホルダーを囲んだかに思われたが、寄せが甘く背後のスペースにパスを出されてしまう。
そして、後半開始から投入されたばかりのMFシャオ・ユーイーにフリーでクロスを上げられ、最後は逆サイドから飛び込んできたMFウー・チェンシューにヘディングシュートを決められた。
追いつかれた後の日本は引き続き主導権を握ったが、相変わらずミスが多く、中国の守備ブロックの中になかなか侵入していけない。64分には疲労が見えた岩渕を下げてFW遠藤純を投入したが流れは大きく変わらず、こう着状態のまま延長戦へもつれ込むことに。
延長戦に入ると、なでしこジャパンは息を吹き返した。相手の足が止まりかけた中、攻撃への意識が改善され、ボールを動かすテンポも上がってくる。そして103分、フリーキックを獲得すると、長谷川の蹴ったボールに絶妙なタイミングで飛び出した植木が芸術的なバックヘッドで合わせてゴールネットを揺らした。自身2点目が待望の勝ち越しゴールとなった。
延長後半は1点を追いかける中国がゴール前へロングボールを放り込んでくる展開となったが、日本は落ち着いて対処する。113分には植木を下げて上背のあるDF高橋はなを投入し、センターバックを2人から3人に増やして逃げ切り態勢に入った。
だが、戦いは終わっていなかった。最終盤の119分、再び中国にワンチャンスを生かされてしまう。セットプレーの流れでこぼれたボールをDFチャン・シンが拾い、ダイレクトで上げたアーリークロスに、エースFWながらこの試合はセンターバックとして先発していたDFワン・シャンシャンが滑り込みながらシュート。日本はディフェンスラインを上げきれておらず、GK山下もなす術なく2度目の同点ゴールを許してしまった。
2-2のまま決着はPK戦に委ねられることに。先攻の日本は1人目の熊谷がまさかの失敗。しかし、後攻の中国で1人目として蹴ったチャン・シンはシュートを枠外に飛ばしてしまう。2人目、3人目、4人目は両チームとも成功。ここで再び日本に落とし穴が。5人目の南がGKに止められてしまい、窮地に立たされる。
中国は5人目のワン・シャンシャンが落ち着いてPKを沈め、試合終了。PK戦の最終スコアは3-4となり、なでしこジャパンのアジア3連覇への道は準決勝で潰えてしまった。
【得点者】
26分 1-0 植木理子(日本)
46分 1-1 ウー・チェンシュー(中国)
103分 2-1 植木理子(日本)
119分 2-2 ワン・シャンシャン(中国)
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【了】