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勝機なし、無謀な戦いだったコロンビア戦。必然の完敗も、“日本らしさ”見せた試合は今後の試金石に

コロンビアに敗れたザックジャパン。果たしてこの戦いに勝機はあったのか。思い出されるのは2012年のブラジル戦だ。あのときと同様、カウンターが得意のチームに“自分たちのサッカー”を挑み、完敗した。

text by 西部謙司 photo by Getty Images

無謀な戦いの意味

勝機なし、無謀な戦いだったコロンビア戦。必然の完敗も、“日本らしさ”見せた試合は今後の試金石に
ザッケローニ監督は就任直後、自らが日本にもたらしたいこととして「バランス」と語っていた【写真:Getty Images】

 コロンビア戦は他力本願ながら、2点差勝利でのグループリーグ突破を狙うゲームだった。当然、日本は立ち上がりからアグレッシブにプレーし、3戦の中では最も日本らしいパフォーマンスができた。同時に、最も点差の開いた試合でもあった。

 この試合の背景を無視してみれば、カウンターアタックが武器のコロンビアに対する戦い方としては無謀である。よく似ているのが、2012年10月にポーランドで対戦して大敗したブラジルとの親善試合だ。

 日本はボールを支配し、果敢に攻撃を仕掛け、ある程度チャンスも作った。その前に1-0で勝利したフランス戦に比べれば、はるかに日本の目指すプレーができていた。ところが、ブラジルのカウンターを食らって0-4。ブラジル相手に最もやってはいけない戦い方を挑んだ結果であった。

 現在の日本が最も特徴を発揮できる戦い方は、非常にアンバランスなのだ。ザッケローニ監督は就任直後、自らが日本にもたらしたいこととして「バランス」と語っていた。ところが、その言葉とは裏腹に日本のスタイルは“とられたらとりかえせ”式の、バランスとは正反対の方向へ突き進んでいったわけだ。

 コンフェデレーションズカップのブラジル戦では、慎重なプレーを選択している。ただ、結果は失点が1点減っただけの0-3だった。ここから、日本は0-4を0-3にし、次に0-2にするよりも、0-4を1-4とし、やがて2-4、3-4にする道を選択した。

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