【写真:Getty Images】
日本代表は今月27日のカタールワールドカップアジア最終予選・中国代表戦に向けて合宿を行っている。
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25日にオンラインで取材に応じたMF久保建英は、昨年9月以来の日本代表招集。同月末から11月下旬まで負傷による長期離脱を強いられ「自分は見ているだけで何もできなかったので、いちファンとして勝って欲しいなと思って見ていました」と語る。
一方で「自分が出られないなかでも、マジョルカの試合と同様、日本代表の試合はすごく気になりましたし、リアルタイムで見ていていろいろ考えることもありました」と明かす。久保が離脱している間に、日本代表では4-3-3という新しいシステムが導入されていた。
森保一監督は今後も4-3-3を継続して採用していきそうだ。今月17日から21日にかけて行った国内組を集めての日本代表合宿でも、最終日の練習試合で4-3-3を用いた。そんな中で日本代表に復帰する久保は「4-3-3に関しては新入りみたいなものなので、僕も楽しみ」と述べる。
これまでの4-2-3-1であればウィングやトップ下で起用されてきた20歳の逸材にとって、新たなチャレンジだ。4-3-3になると、ウィング起用がメインになりそうだが、場合によってはインサイドハーフでのプレーも期待される。
久保はバルセロナ時代に4-3-3のインサイドハーフとしてプレーした経験を持つというが、もし日本代表で同ポジションで起用されても問題なさそうだ。「今はどちらかというと前めのポジションで落ち着いていますけど、全然できると思います」と自信をのぞかせる。
そして、自らのプレーによって今の日本代表の4-3-3が抱える課題を改善に導くアイディアも持っている。
「そもそも4-3-3でプレーしているチームは世界でも限られていると思いますし、圧倒的にボールを保持して、ポゼッションに絶対的な自信を持ったチームでしか見たことがない。今の日本代表で、代表とは別のところで(4-3-32お)経験している選手もどれだけいるかわからないですし、すごく難しいフォーメーションではあるなと思います」
「インサイドハーフというより3ボランチ気味になっていると思いますけど、前に厚みをかけていくならもっと上がったほうがいいかなと個人的に思っています。自分は今回が久しぶりの代表で、僕は代表では4-3-3を経験していないので、自分がどうなるかわからないですけど、もしインサイドハーフで出るなら高い位置を取ろうかなと、見ていて思いましたね」
中盤の3人が逆三角形に並ぶのではなく横並びに、つまり久保の言うように「3ボランチ気味」になりがちな傾向は、これまでにも何人かの選手たちが指摘してきた。より攻撃的な特徴を持つ選手がインサイドハーフに入ることで、新たな可能性が見えてくるかもしれない。
「そもそも新しいフォーメーションにするということは、最初からうまくいったらそんなに簡単なことはない。新しいことにチャレンジするのは平坦な道じゃないと思いますし、いろいろ難しいことがあると承知のうえで監督も4-3-3にしたと思うので。
実際に2試合で4-3-3になった場合に、前回と比べて(インサイドハーフを)もっと上げた方がいいんじゃないかというのも当然議題には出ていると思います。そこは変わっていると思いますし、僕たちが空想を語り合うより試合を見てもらって、僕も自分でできることはやりたいと思いますけど、記者の方々や疑問を持っている人たちには自分の目で確かめてもらったらいいんじゃないかと思います」
新たな戦い方を確立しつつある日本代表は勝利とともに戦術面での改善も示せるだろうか。久保の起用ポジションやチーム内での役割の変化にも注目していきたい。
(取材・文:舩木渉)
【了】