「仮にスタイルが出なかったとしても、1つ1つの球際で負けない」
シーズン中の右ひざ負傷を乗り越え、最終ラインの軸として2014年ブラジルW杯に参戦している吉田麻也。同じくケガから復帰を果たして快進撃を見せた2012年ロンドン五輪の再現を期していたが、現時点では予想外の方向に進んでいる。
14日の初戦・コートジボワール戦(レシフェ)ではドログバを意識し過ぎてわずか2分で逆転劇を許し、19日の第2戦・ギリシャ戦(ナタル)は無失点で抑えたものの、1点が奪えずに勝ちきれなかった。吉田自身、不慣れなパワープレー要員として起用されるケースまであり、本当に想定外の連続だろう。
「サッカーの質は1戦目より2戦目の方がよかったと思うし、2戦目は少しイレギュラーな部分もあったけど、チームとしての固さは間違いなく取れている。個人的な意見としては3戦目でさらに良いプレーができると思う。
仮にスタイルが出なかったとしても、1つ1つの球際で負けないとか、セカンドボールをしっかり拾っていくとか、本当に基礎的なことを繰り返して自分たちのリズムをつかみ返せるようにしていくことは十分できると思う。
その覚悟もしっかりしておかないといけないと感じています」と彼は努めて冷静にコロンビアとの最終決戦に向けてのポイントを語っていた。
そのコロンビア戦を翌日に控えた23日。決戦の地である猛暑のクイアバへ移動してきた彼は、改めてこの試合への意欲を口にした。
「もちろん状況は厳しいし、置かれている立場も厳しい中でやらなきゃいけないってことは分かっていますけど、そういう時は常に自分に、『W杯に来られる選手たちっていうのは限られている。その貴重な舞台に立てている幸せを噛みしめてやらなきゃいけない』と問いかけています」