ギリシャ戦の課題。青山の特徴が直結していた
対戦相手のコロンビアはコーヒーの名産地として知られるが、品質では“ブルーマウンテン”の方が上だ。冗談はさておき、勝負のコロンビア戦で是非とも起用してほしい選手がボランチの青山敏弘だ。
ザッケローニ監督をして「気にいっている選手」と言わしめた青山敏弘だが、ブラジルW杯ではここまで2試合とも出番はない。残念だったのはギリシャ戦のあとにザッケローニ監督が攻撃のスピード不足を指摘するなど、試合に出なかった青山の特徴がそのままチームの課題に直結していること。特に相手の守備ブロックを縦に付くパスの不足は青山を起用すればかなり改善される可能性が高い。
「自分はそれで選ばれたと思っている。縦にボールを付けてかなければ怖くない」と自負する青山は開幕前のコスタリカ戦で積極的すぎるほどに縦パスを狙い、ザンビア戦では終盤の交替出場からファーストタッチで大久保の決勝ゴールをアシストした。コスタリカ戦では守備も高い位置からプレスの姿勢を出しており、山口とのコンビでボールを奪っていた。
攻撃では縦に付けるパスをカットされる危険、守備では積極的なプレスの裏に入られるリスクはあり、筆者としてはコートジボワール戦の起用はやや危険な部分があると指摘したことがあるが、ギリシャ戦では普通にボールを回していたら、日本のテンポをスローダウンさせられるのは必定で、青山の起用は理に適っていた。
しかも、「どんなに守備を固められていても、タイミングと精度が合えば得点につなげる自信がある」と語るスルーパスはギリシャを相手に最も発揮しやすい武器だった。
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