【写真:舩木渉】
横浜F・マリノスは9日、2022シーズンの新体制発表会を開催した。
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昨季はJ1リーグ戦で川崎フロンターレに次ぐ2位に甘んじ、タイトル奪還が最大の目標になる。30代の選手たちが相次いで退団した一方、新加入選手たちには20代の即戦力級がずらり。世代交代を図りながら3年ぶりのリーグ優勝を目指す。
そんな中、異彩を放っていたのは徳島ヴォルティスから加入したMF藤田譲瑠チマだ。19歳ながらマリノスはプロとして所属する3つ目のクラブになる。パリ五輪世代の中心選手としても期待される逸材は、明確な将来像を描いて移籍を決断したという。
「オファーをもらった時に最初に、自分の中では昨年対戦して一番嫌な相手だったと思ったので、そういうチームからオファーが来てとても嬉しかったのを覚えています。このチームに来たら自分は成長できると思ったし、とても海外チックなチームで、自分にとってはすごくいい要素がいっぱいだなと思って、移籍(を決断)するまでに時間はかからなかったです」
もともと海外志向の強い選手だが、移籍先にマリノスを選んだのは、次のステップとして海外を意識しているからだと言い切った。ある意味“踏み台”とも取れるが、近年だけを見てもFW前田大然やFWオナイウ阿道、MF遠藤渓太、MF天野純などマリノスで活躍して欧州移籍のチャンスをつかみ取った選手は多く、個々のパフォーマンスが海外からも評価されるようになったのはクラブとしての成長と成功の証でもある。
そして、海外に多くの選手を送り出してきた実績は、志の高い若手選手たちに対するアピールポイントにもなっているのだ。
「昨年よくマリノスの試合を見ていたんですけど、ボランチの選手たちは、自分が将来5大リーグや海外のトップレベルのチームでプレーするのに必要なアグレッシブな動きだったりインテンシティの高い動きができていました。
このチームに入って、意識しながらやっていけば、自分もそういうインテンシティの高い動きやアグレッシブな動きができるようになるのではないかと思って、海外に行く前の準備じゃないですけど、このチームでしっかり戦うことができれば海外でも通用するのではないかと思って選びました」
マリノスには欧州でのプレー経験を持つ選手も多い。今季新加入のDF小池裕太やFW西村拓真をはじめ、イングランドやドイツで経験豊富なFW宮市亮、ベルギーでプレーしたDF小池龍太といった先輩たちからも、多くのことを学べるだろう。
「自分も少し人見知りな部分があったんですけど、昨年徳島に移籍したり、代表活動を通じて初めての人と関わる機会がすごく多かったので、そういった中で自分の意見をちゃんと言ったり、サッカーの中でもどんどんコミュニケーションを取ることができれば、私生活でもどんどん会話が増えていくことを学ぶことができました。そういう経験を生かしながら、いろいろな人とコミュニケーションを取りたいと思います」
欧州5大リーグで活躍する夢を抱く若者は、すでに貪欲な姿勢を隠さない。ピッチ上で激しく戦ってボールを奪いにいくのと同様に、ピッチ外でもガツガツ先輩たちに向かっていくはず。19歳の藤田が放つポジティブなエネルギーは、マリノスの他の選手たちにとっても大きな刺激になるだろう。
(取材・文:舩木渉)
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