【写真:Getty Images】
日本サッカー協会は10日、メディア向けのレフェリーブリーフィングを開催した。Jリーグのレフェリングを総括するこの場では、「集団的対立(選手同士のもめ事)」にかんして、実際の場面が例の1つとして挙げられた。
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11月に行われたその試合では、激しいファウルをきっかけに小競り合いが発生。ある選手(A)がファウルした選手(B)に詰め寄ると、BはAの胸を小突いた。すると、Aは顔を抑えてピッチに転倒した。それを見たAの味方選手(C)がBに詰め寄って胸を小突いてしまった。
結果として、相手選手の胸を突いたBとCにはイエローカードが出されたが、稚拙な演技を行ったAにはお咎めがなかった。
触れられてもいない顔をおさえながら倒れたAの行為は、審判を欺く過剰な演技にも見てとれる。J1では選手同士の対立について、VARによるチェックを行っていたが、このシーンは罰則の対象とはならなかった。
日本サッカー協会(JFA)審判委員会Jリーグ審判デベロップメントシニアマネジャーの扇谷健司氏は、「振り返ってみたときに、非常に見苦しい場面だったと思います」と見解を述べた。しかし、「レッドカードに近い状況ではない」ことを理由にVARの介入ができないと説明している。
「Bも手を出してしまった事実はある。(Bへの)イエローカードを否定できるものではない」と見解を述べている。「警告・退場の人違い」であればVARの介入が可能だが、今回はそれにも当たらない。扇谷氏は「選手の皆さんがこういったことをやらないというのが大切」と、選手への自制を求めた。
これはあくまで実際に起きた事象の1つで、同じようなことはいくつもある。本稿で具体的な選手名を伏せたのは、例として挙げられた当該選手個人への糾弾に目が向けられるのを防ぐため。激しい戦いでヒートアップしてしまう場面はあるが、選手たちにはフェアな振舞いを期待したい。
(文:加藤健一)
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