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伊東純也、決勝点挙げるも「悔しい」。一体なぜ? サッカー日本代表をで芽生える自覚と責任【W杯アジア最終予選】

text by 編集部 photo by JFA

伊東純也
【写真提供:JFA】



【日本 1-0 オマーン カタールW杯アジア最終予選】

 カタールワールドカップのアジア最終予選第6戦が現地16日に行われ、日本代表はオマーン代表に1-0で勝利を収めた。

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 今月11日のベトナム代表戦に続く1-0の勝利で、2試合連続で決勝点を挙げたのはMF伊東純也だった。

「全然自分がエースだと思ったことはないですね(笑)。得点に絡むのは仕事だとは思いますけど、得点を取るキャラではないというか。チャンスメイクで味方がいい位置にいたら、やっぱしっかりそこを見つけててパスを出すのも大事だと思うので。自分が自分が…にならず、しっかりベストの選択をできればいいかなと思います」

 オマーン戦前の取材対応でそう語っていた伊東だが、少ないチャンスの場面でしっかりとゴール前に走り込んで決勝点を奪って見せた。81分、MF三笘薫のクロスに合わせてゴールネットを揺らし、A代表通算29試合目の出場で7得点目を挙げている。

 しかし、「ゴールを決められたのはうれしかったですけど、パフォーマンスに関しては全然よくなかったし、相手が対策をしてきた中でもそれをこじあけたかったなと。ゴール決めて勝ったんですけど悔しい気持ちという…そういう感じがあります」と試合を通じたプレーには満足していない。

 コンディションも万全とは言えず、「俺が欲しいタイミングと、(山根)視来が(パスを)出したいタイミングと、今日は全然合っていなかった」と、サイドバックとの連係にも手こずって、ベトナム戦ほどの存在感は出せなかった。

 それでも最近の伊東の活躍ぶりには目を見張る。日本代表で挙げた7得点のうち、5得点は今年に入ってから。いつの間にか右サイドの“槍”としてチームに欠かせないエース格の選手になった。オマーン戦でも「逆サイドにボールがあるときはゴール前まで入っていこうという意識でやっていた」と、勝敗に直結するフィニッシュの局面に絡むことだけは怠らなかった。

「今はスタメンで出られていますけど、最初の方は少しの時間しかもらえなかった。所属クラブでしっかり結果を残したり、練習からしっかりやったり、少しの時間でもチームに貢献した結果、今があるので。中心選手というか、みんながやっていかないといけない。今はたまたま自分が出られていると思っているので、このままパフォーマンス継続しないと、前線はいい選手がいっぱいいるので、常に結果を出せるようにがんばりたいと思います」

 伊東は以前「自分がやってやる、引っ張っていくという気持ちを出さなきゃダメだと思うので、年齢でも上の方になってきてるし、そういうところはしっかりやらなきゃいけないっていう自覚は出てきました」とも話していた。

 もともと多くを語るタイプではなく「リーダーってタイプでもないので」と苦笑する28歳は、内に秘めた情熱をピッチで爆発させている。いまや日本代表になくてはならない存在であり、今回のオマーン戦は伊東が重要な得点源であることを改めて証明する試合になった。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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