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敗戦も豪州に現地は賞賛。採点では全員が7点以上。「過去の監督が好んだ陰気なスタイルから間違いなく発展」

オーストラリアがオランダ相手に善戦した。2-3と敗れたが、一時は逆転するなど強豪を追い詰めた。現地ではサッカルーズへ賞賛の声が多く聞かれた。

text by 植松久隆 photo by Getty Images

強豪相手に善戦したオーストラリア

 オーストラリアが、先日のチリ戦に続いて、またも強敵相手に善戦した。

 負けられない一戦で、世界有数の強豪、しかも今大会初戦で前回王者を完膚なきまでに叩いたオランダとの対戦。当然、試合前の世論は「なかなか厳しい」という認識で一致していた。

それでも、当地のメディアは、過去3戦してオーストラリアの1勝2分けという通算対戦成績をたてにして、何とか世論の関心を未明の試合まで繋ぎとめようとポシティブな姿勢での報道を続けた。

 実は、今回のオランダ戦は、単独のスポーツイベントではオーストラリアでも有数の人気を誇るラグビー・リーグ(13人制ラグビー)のNSW州、QLD州の対抗戦「ステート・オブ・オリジン」の第2戦(勝者決定戦)と同じ日(ラグビーは現地時間8時キックオフ、サッカーは午前2時キックオフ)にバッティングした。

 その煽りで、オランダ戦に関する報道が埋没してしまうのではないかという危惧はあったが、それは杞憂に終わった。さすがにW杯。前日から当日までの各新聞の紙面では、いずれもラグビー・リーグのカバレージの方が大きかったものの、オランダ戦も充分に大きく扱われて埋没してしまうようなことはなかった。

テレビでも、すべてのキー局のニュースでラグビー・リーグに続く2番手の扱いで取り上げられるなど、一般の関心も低くはないことを感じさせた。

 その試合だが、各メディアが既報の通り、2‐3という打ち合いの末にオーストラリアが敗れた。下馬評の低かったサッカルーズの強豪に喰い下がって諦めない戦いぶりは、オーストラリアのフットボール・コミュニティには、大きな共感をもって受け止められた。

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