サイドバックにセンターバックタイプを2人。クリロナ、ナニ対策
ドイツ代表が4度目の王座に向かって最高のスタートを切った。
2014年6月16日、ドイツ代表はサルバドールの地でポルトガル代表とグループGの初戦を迎える。
スターティングメンバーは、GKノイアー、右SBボアテンク、CBにメルテザッカーとフンメルス、左SBにヘーヴェデス、ダブルボランチにラームとケディラ、2列目にクロース、エジル、ゲッツェ、そしてワントップにミュラーだ。
ドイツで行われた最後のテストマッチに続いて、ミュラーが偽9番として起用される。ミュラーも含めて、ノイアー、ボアテンク、ラーム、クロース、ゲッツェの「バイエルン・ブロック」を中心とした先発陣をレーブは組んできた。
また、両SBに所属チームでの本職はCBであるヘーヴェデスとボアテンクを配置する。ポルトガルの強力な両翼、ナニと、特にクリスティアーノ・ロナウドを意識したものであることは明らかだった。
この方法は非常に功を奏した。メルテザッカーやフンメルスとともに、ナニにはヘーヴェデスが対応する。そしてロナウドはボアテンクが試合を通してマークし続け、自由を与えることはなかった。
そしてポルトガル代表を相手にしてドイツ代表はまた新しい姿をブラジルの地に示す。ペップ・バイエルンの模倣に終わったカメルーン戦の反省からなのか、ショート・パスを主体としたポゼッション・スタイルにこだわり過ぎず、速攻を全面に押し出した形を取る。CBが4枚並んだ強固なディフェンスを背景に、ボールを奪うや否や手数を掛けず、偽9番を中心とした流動性が発揮される前線へと迫る。
「固い守備からの速攻+流動性」という点では、「5バックからの速攻+ロッベン、スナイデル、ファン・ペルシー」というスタイルでスペイン代表を粉砕したオランダ代表に似ているところもあるかもしれない。しかし前線の人数を伴った流動性という点では、オランダのそれよりも、ドイツの攻撃には一層の迫力があった。