日本代表は12日、カタールワールドカップ・アジア最終予選でオーストラリア代表と対戦し、2-1で勝利している。日本代表はこの試合で4-3-3を採用し、田中碧を最終予選で初めて先発に抜擢するなど、大胆な采配を見せた。ワールドカップ出場への道のりは依然として険しいが、最終予選を勝ち抜くために必要なものを再認識させるゲームとなった。(取材・文:元川悦子)
4-3-3は「ぶっつけ本番だった」
2022年カタールワールドカップ・ベスト8を目指しているはずの日本代表が、アジア最終予選序盤3戦で2敗と絶体絶命の窮地に追い込まれている。迎えた12日のホーム・オーストラリア代表戦、解任危機に瀕した森保一監督が採った“秘策”は、ここまで先発では一度も公式戦でトライしていない4-3-3の採用だった。
【今シーズンの欧州サッカーはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】
遠藤航をアンカーに置き、守田英正と最終予選初先発の田中碧を抜擢。中盤に厚みを持たせ、相手にいい形でプレッシャーをかけに行き、連動性の高い攻撃からゴールを狙うという意図があった。
「理詰めは正直、そこまでできていなくて、ぶっつけ本番だったのはあります」と守田は本音を吐露したが、中盤3人の距離感と連係、流動性は全く初めてとは思えなかった。
「誰がどこのポジションを取っても同じようにやれるのが強みだったし、お互いを見ながらポジションを変えることはかなり意識してやっていた」
遠藤航もこう自信をのぞかせたが、彼らの感覚と意識がピタリとあったことで、日本代表は序盤からオーストラリアを凌駕した。
その象徴と言えるのが、開始8分の田中碧の先制点。伊東純也が相手GKマシュー・ライアンへチェイシングに行き、出たボールに守田が寄せてフルスティッチからボールを奪取。南野拓実→遠藤航→守田とつないで、再びボールを受けた南野がドリブルで運ぶ。逆サイドに送ったボールが田中碧に通り、右足を一閃。ゴール左隅に蹴り込む形だった。
決めきった田中碧は賞賛に値するが、やはり高い位置からプレスがハマっていたことがゴールにつながった。こういう形が出せたのは、まさに布陣変更の目に見える成果と言っていい。