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スペインメディアが見た日本。「立派な試合以上のものをした」。なぜか高評価、その背景にある厳しい現実

以前は日本サッカーに対して全く関心を示さなかったスペイン。しかし、現在は試合結果をスポーツ紙で報じられるまでになった。だが、その内容は巨大な相手に挑む弱者を讃えるものだった。

text by 山本美智子 photo by Getty Images

「立派な試合以上のものをしたし、それは結果以上に価値のあること」

「レシフェには、わずかに雨が降っており、日本はビニール傘とシューズで雨に濡れることを恐れずに散歩をしていた。そこに台風がやってきた。台風の名はドログバと言った」。

これは、日本対コートジボワール戦を終えた後のスペインのスポーツ紙、アス紙の書き出しだ。

 同紙は言う。「日本は立派な試合以上のものをしたし、それは結果以上に価値のあることだ」と。これは一つの真実かもしれないが、同じ結果を自国代表が手にした時、決して同じことが書かれることはないだろう。

 結果が伴わなければ、「立派な試合」をしたとはいえない。そして、それがW杯なら、なおさらだ。

 厳しい言い方になるが、まるで運動会でスポーツが苦手なのに頑張った子どもに対して、「結果は出なかったけれど、本当によくやったね」と親が励ましているようなトーンがスペインマスコミ全体的に見られた、というのが個人的な印象だ。

 とはいえ以前、日本代表がスペインの関心を惹くことなどは、全くなかった。それでも、前回のW杯、昨年のコンフェデレーション杯での活躍は高く評価され、ここまで来たのだ。

 加えて、日本代表の主軸が現在は欧州でプレーしているため、長友、長谷部、本田、香川などは、サムライブルーに興味のない一般のサッカーファンにも、十分名前が知られている。

 中でも、ドイツで一躍名を馳せてから、プレミアムリーグへ移籍した香川への評価は高い。それだけに批判される時も、他の選手より厳しく罵倒される。

 実際、試合後にスペインのサイトに書き込まれた批評には「サイアクカガワ」、「ドルトムンドを出たのが失敗だった」、「ピッチでの存在感ゼロ」など、厳しい声が飛んだ。

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