シュート数では大きく上回った日本
またも雨の試合となったギリシャ戦。日本は1点が遠く、引き分け。勝ち点1を得るにとどまった。グループ突破の可能性は残されたが、厳しい状況に追い込まれた。
コートジボワール戦からザッケローニ監督はメンバーをいじってきた。森重真人を今野泰幸に、香川真司を大久保嘉人に替えた。今野はラインを高くするため、ビルドアップを意識してのもの。大久保は前線の活性化と香川の状態を考えてのことだろう。
岡崎慎司をいつもの右ではなく左に置いたのはギリシャの右サイド、トロシディスとフェトファツィディスを抑えるためではないか。ギリシャの攻撃のストロングポイントは右だ。サルピンギディスが先発ではないことまで指揮官が予想していたかは定かでない。
守備に関しては、前半は少し危ない場面もあったが、十分に防げていた。カツラニスが退場になり、数的優位になると守備機会はぐっと減った。問題は攻撃だ。終始相手陣内でプレーしながら無得点(ギリシャのシュートが9本に対し、日本は16本放った)。
ザッケローニ監督は「自分たちのサッカーをある程度はできた」と試合後に語った。ここがミソで“ある程度”しかできなかったのである。前線に運ぶまではできた。しかし、そこからのイマジネーションはかなり乏しかった。
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