いかに長友でも完璧に抑えるのは難しい
日本にとってブラジルW杯で最初の試合となるコートジボワール戦は多くの注目ポイントが存在するが、勝負の鍵を握るのは長友佑都とジェルビーニョのマッチアップだ。
アフリカ予選で5アシストを記録し、3つのPKを獲得したジェルビーニョは攻撃のタレントを揃えるコートジボワールでも第一のチャンスメーカーであり、長友は左サイドからの推進力ある攻め上がりで日本の攻撃を活性化している。
長友はインテル、ジェルビーニョはローマの中心的な存在で、セリエAでは何度も対戦。「そういう部分をチームメートにしっかりと伝えて行こうと思います」という長友はジェルビーニョの特徴について「普通に走っている時とドリブルのスピードが変わらない。ギリギリのところで深い切り返しもある」と語る。
ジェルビーニョに対しては中盤のティオテやトゥーレ・ヤヤからワイドな位置でパスを受けた時、あるいは前線のドログバがポストしたボールを受ける時に前を向かせず、スピードに乗るスペースと時間を与えないことが大事だ。ただ、縦ばかり意識すると中に入り込まれる。
長友は「僕個人としては1対1で勝ちたいっていう部分もある」と前置きしながらも「チームが1つになって連動していかないと、いい守備は絶対できない」と認める。スピード対応に優れる長友であっても、単純なマッチアップで縦も横も完璧に封じることは難しいだろう。ボランチやセンターバックと連動して挟み込める支えを得た状況でマッチアップを制したい。
【次ページ】重要になってくるカバーリング