24時間体制のニュース文化において最もネガティブな要素
選手やコーチから試合前に発せられるコメントは、日本の完璧な交通信号で制御されている横断歩道の横で赤い棒を持って合図を送ることと同じくらい、現存するもので最も無意味な存在だ。
ジャーナリストが出来合いのテンプレートに打ち込むありきたりな決まり文句は、現代主流となっている24時間体制のニュース文化において最もネガティブな要素の1つだ。
我々は避けられないサイクルに陥っている。ファンとメディアは毎日新たなニュースを必要としている(本当に必要なのか?)。さらにツイッターでは、1時間、1分、1秒ごとにツイートされ続けている…。
多くの選手は、何度も同じ質問を尋ねられ続ける事によって、何かを言っているようで実際には何も言っていない状況に持っていくことが、ますます熟練されてきている。
または、本田圭佑のように単に何も話さない選手も出てきた。
しかし、誰が彼を批判出来るのだろうか? 想像してみてほしい。あなたが毎日仕事終わりにコンディションや目標、そして思考について質問され続けたら? そして、上から目線で「ファンに向けたメッセージを」と言われたら?
そもそもW杯に向けた調整の段階において、約1ヶ月後に迫ったトーナメントについて質問されたところで詳細など話せるはずがない。
――対戦相手の印象は?
「彼らは組織的で、フィジカルが強く、攻撃的なチームだ」
――あなたのコンディションはどうですか?
「日々良くなっているよ。順調に調整が出来ていると思う」
――大会の目標は?
「1つひとつのゲームに集中し、全て勝ちたいと思っている」