【写真提供:JFA】
日本代表では途中離脱者が相次いでいる。
【今シーズンの欧州サッカーはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】
2日のオマーン代表戦直前に負傷したDF板倉滉を皮切りに、夏場のオーバーワークでコンディションを崩したDF酒井宏樹、そして板倉同様に負傷を抱えたMF南野拓実も一足早く所属クラブへと戻った。
しかもオマーン代表に敗れ、カタールワールドカップのアジア最終予選は黒星スタートに。そんな逆風が吹き荒れるなか、フランス2部のトゥールーズでプレーするFWオナイウ阿道に追加招集がかかった。
「変な言い方をすると、スーパースターで来ているわけではないし、僕自身が自分のチームで試合に出ながらいい準備ができていたので、いつ呼ばれても準備はできていたと思う。日本は初戦に負けてしまって難しい状況にあると思うので、僕1人でどうにかできることだとは思っていないし、ここに来たからといって僕が出て、絶対に勝たせられるわけでもない。まずはチームとして明日の中国戦に向けて『絶対に勝つ』ということを意識しながら、(試合に)出られるように、そこで貢献できるようにという思いで来ました」
攻撃陣に特別な奮起が求められる状況での追加招集だが、オナイウに気負いはない。途中離脱した南野から「10番」を引き継いでも、背番号を特別に意識することなく、自然体でプレーするつもりだ。
「(10番は)特別な番号だと思いますし、どういう形にせよ、その背番号を着けて試合に挑めるのはとても光栄なこと。でも、気負う必要はないと思うし、今までやってきたことをやることが結果やチームの勝ちにつながると思うので、そのスタンスは変えずに、自分らしさを出せたらいいかなと思います」
オナイウの落ち着きぶりは、フランスでの日常で「試合に出ながらいい準備ができていた」証拠だろう。今夏、横浜F・マリノスからトゥールーズへ移籍した25歳のストライカーは、すでにリーグ戦で6試合に出場して2得点を記録。直近2試合連続ゴール中で、早くも主力定着を果たしている。
初の欧州挑戦ながら「最初の数試合は難しいシーンもありましたけど、徐々に自分の特徴やいいところを出して、得点も取れるようになってきましたし、チームとしても負けていないので、それで個人としてもいい方向に向かっています」と、オナイウは確かな手応えをつかんでいる。
結果を残すことによって得た自信は、簡単には揺らがない。ピッチに立った際のプレーのイメージも、すでに明確だ。
センターFWとして起用された際には「ペナルティエリア内で得点に絡める、ゴールを決められるのが自分の特徴だと思っているので、そこは常に意識したい」と述べ、さらにビルドアップの際にはポストプレーによって「攻撃の起点にもなれると思う」とオナイウは語る。
「1人ひとり特徴や能力は違うと思いますし、誰かが離脱して、誰かが来て、というのもあると思いますけど、誰かに似たようなプレーをしようとは思っていないです。自分らしさは常に意識しながら、その中でチームとしてやるべきことがやれていれば結果にもつながってくると思うので、自分の特徴を消さないように、みんなでコミュニケーションを取りながらやっていきたいと思います」
6月のセルビア代表戦で日本代表デビューを飾ると、直後のキルギス戦で先発のチャンスを得てハットトリックを達成。マリノスでゴールを量産し欧州へ旅立ったオナイウは、右肩上がりで評価を高めている。7日の中国代表戦でも日本の窮地を救う活躍に期待したいところだ。
(取材・文:舩木渉)
【了】