攻撃にはかなりの癖。組織的な崩しはあまりない
――コートジボワールの分析についてお聞きしたいと思います。対象試合は3月5日、ベルギーとの試合です。
「ベルギーの場合は分かりやすくて2トップで、中盤の二列目は左右に2枚、中央に2枚、後ろは4人。コートジボワールも後ろは4人で、MFは流動的なんですけど、前は3人です。
ベルギーの守備は少し引いて待ち構えていて、一方、コートジボワールはSBがすごく高い位置を取る。ヤヤ・トゥーレがスルスルと下がってきて、中盤でベルギーの守備的MFに対して3対2の状況を作ろうとする。
ベルギーはMFの守備が前目ですが、ボールが動いたときに2列目のMFは来るのか来ないのか。来ないので、中盤で3対2となっている(図1)」
――コートジボワールはFWのジェルヴィーニョの動きが目立ちましたね。
「彼は一人で前に行っちゃうんですよね。それで右SBのセルジュ・オリエから彼を狙ったボールが多かった。でも、ベルギーのDFは警戒しているので、ボールが来ても弾かれたり蹴り返されてしまう。そういうシーンが数度起きた。
ジェルヴィーニョは孤立していたので、分析の中から、彼はそこまで問題はないかなという結論が出てきます。ジェルヴィーニョをヤヤ・トゥーレがサポートすると局面が変わるんですが、ヤヤ・トゥーレが前めで初めてボールを受けられたのが、前半35分になってから。彼にボールが全然入らないので、コートジボワールのパスがベルギーの網にかかってしまっている。それもジェルヴィーニョに向けて放り込むしかない原因ですね」
――組織的に動いて崩すという意図があまり見られないですね。
「コートジボワールは個のレベルが速くて強そうでしたが、中盤が3対2になっていることをあまり感じていない。3人がベルギーの守備的MF2人に封じられていることになる」