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Jリーグ 12年前

天才ドリブラー原口元気 異分子が見せた可能性に“パスサッカー”浦和の未来がある

原口元気が好調だ。2-2の引き分けに終わったアウェイ・セレッソ大阪では、自陣から70メートル以上をドリブル突破し、ゴールを決めた。浦和のパス サッカーにおいては異質と言えるドリブラーの原口。彼の持つ大きな可能性に浦和レッズの未来がある。

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

原口元気というピースが輝くとき

 そのビッグプレーは、J1第10節・セレッソ大阪vs浦和レッズの後半に訪れた。浦和が0-1のビハインドで迎えた後半26分、セレッソ大阪のコーナーキックをGK加藤順大がキャッチしそのまま原口元気へアンダースローで渡すと、原口は一気にスピードを上げてドリブルを開始した。

原口元気
【写真:松岡健三郎】

 カウンターの形となったためセレッソの守備陣形は当然整ってはいなかったが、最終ラインには4人が戻っており人数は十分に足りていた。

 しかし原口はスピードを緩めず最終ライン目がけて割って入り、細かいステップで対峙する茂庭を翻弄。アウトサイドとインサイドで交互にボールタッチするそのドリブルは、ライアン・ギグスのデビューイヤーを彷彿とさせるものだった。

 エリア内に入った時点で茂庭は原口に背中を向ける格好で死に体となり、原口がタイミング良く左足を振り抜くと、シュートは逆サイドのネットを揺らした。70メートル以上を単独で持ち運んで生まれた、スペシャルなゴールで浦和は同点に追いついた。

 試合はその後お互いに1点ずつを奪い合い2-2の引き分けで終わったが、連敗中の浦和にとって、この勝ち点1の意味は決して小さくはないだろう。そしてそれ以上に、今季の浦和にとって原口元気というピースが、想像以上に重要な位置を占めていることを改めて認識させられた試合となった。

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