日本代表は2日、カタールワールドカップ・アジア最終予選でオマーン代表と対戦し、0-1で敗れている。大事な初戦を落とした日本代表には何が足りなかったのだろうか。完敗を招いた日本代表の問題点とは。(取材・文:元川悦子)
「圧倒できないと話にならない」
「自分たちがワールドカップベスト8に行くという目標を掲げている分、アジア最終予選は圧倒できないと話にならない」
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4度目のワールドカップ最終予選に挑む長友佑都が語気を強めたように、2022年のカタールワールドカップへの道をこじ開けるために、日本代表は2日のオマーン代表戦で確実に白星を手にする必要があった。5年前のロシアワールドカップアジア最終予選では初戦でUAE(アラブ首長国連邦)代表に苦杯を喫している分、同じ轍を踏むわけにはいかない。底力を示し、敵を凌駕することを森保一監督も選手たちも考えていたはずだった。
だが、大雨の降りしきる中、始まった試合は予想外の展開になった。1カ月間の欧州合宿を経て、この一戦に賭けていたオマーンが高い強度で挑んでくる傍らで、日本代表の出足は鈍く、コンディションの悪さが目についた。東京五輪から出ずっぱりの酒井宏樹は普段以上にミスが多く、遠藤航も足が重い。ビルドアップのリズムも悪く、テンポが上がらない。攻守の切り替えも遅く、序盤から非常に重苦しい雰囲気が漂った。
こうした中、日本代表にとって痛かったのは、絶対的1トップ・大迫勇也への縦パスを寸断されたことだ。
「セルビア戦、タジキスタン戦、韓国戦を丹念に見て研究した。日本はスモールサイドのプレーが多く、攻守の切り替えの時にチャンスが生まれている」と敵将のブランコ・イバンコビッチ監督が言うように、彼らは日本代表の攻撃パターンを丸裸にした。大迫というキーマンをつぶし、多彩な攻めを繰り出させないように仕向けてきた。