日本代表は2日、カタールワールドカップ・アジア最終予選でオマーン代表と対戦し、0-1で敗れている。日本代表は1か月の準備期間を設けたオマーン代表に苦しんだ。短い準備期間でコンディションが良くなかったことも敗因の1つかもしれないが、戦い方はどうだったのだろうか。(文:西部謙司)
日本代表は遅くてちぐはぐ
普通に負けた試合だった。準備の違いとコンディションの差が大きな要因だが、それならそれでそれなりの戦い方をしたわけでもなく、漫然と攻めてはカウンターを食らうという展開になっていた。
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良い守備が良い攻撃につながるとよくいわれるが、逆に良い攻撃も良い守備につながる。この試合の日本代表は良くない攻撃が良くない守備につながるという悪循環が随所に見られた。ボールポゼッションは65%で上回っていたが、シュート数は10対12でオマーン、枠内シュートも4対6。ボール保持が優位性につながっていないことが端的に表れている。
推進力が不足していた。前半こそ、何度かサイドの深い位置へのランから攻め込めていたものの、全体にアクションも遅いし展開もちぐはぐだった。素早くブロックを形成していたオマーンの守備を崩すには、相手DFを動かさなければ難しい。DFを動かすには背後へのランが最も手っ取り早いのだが、仕掛けるのが遅くてスペースをすでに消されているか、ランニングそのものがないケースがほとんど。後半に推進力のある古橋亨梧を投入したものの、長友佑都とのコンビネーションが整わず、それほど劇的な変化は見られなかった。
攻撃の停滞に輪をかけたのがポジショニングの悪さだ。68分のシーンは典型だろう。
左で長友がキープ、古橋がハーフスペースを走って裏をとりにいった。しかし、長友は古橋の動きを囮にしてクロスボールを選択し、対面のDFに引っかかってしまう。このときボールがこぼれたハーフスペースに日本の選手が誰もいなかった。そのままオマーンのカウンターアタックになっている。本来、ここにいるべき柴崎岳は中央にいた。ポジション・バランスを崩して攻撃しているので、守備のバランスも崩れていた。