フレッジはわざと倒れていたように見えたが…
世界中が注目していたブラジルW杯開幕戦。地元ブラジルの相手はクロアチア。ホームで圧倒的な声援を受けたブラジルはオウンゴールで先制を許すも、その後3得点。逆転勝ちした。
この試合、話題になったのはブラジルの2点目。これはネイマールがPKを蹴りこんだもの。PKを与えた判定に、クロアチア側は猛抗議。試合後も主審を務めた西村雄一氏の誤審ではないのか、という意見が多数出た。
私はこの判定は誤審だとは思わない。確かに倒されたブラジルのFWフレッジはわざと倒れこむようなずる賢いプレーをしていた。だが、倒したクロアチアのDFロブレンの手がフレッジにかかっていたのも事実。映像を見返すと、腕を掴んで妨害しているのが分かる。
ルール上は何ら問題がない。フレッジのシミュレーションとも言えるが、ロブレンに腕を掴まれたことにいち早く気付き、上手く“倒れた”プレーだった。あれで笛を吹かないレフェリーもいるだろうが、PKとしたところで、「誤審だ!」と批判するのはナンセンス。
ジャッジの基準は国や大会によって異なる。あのプレーは、イングランド・プレミアリーグであればノーファウル。むしろ倒れたフレッジに主審が「立ちなさい」とジェスチャーしていただろう。
試合中、西村主審は何度も選手たちに注意をしていた。正確なことは本人に聞かないと分からないが、通常だとこのような注意は「ここまでやったらファウル」「気をつけなさい」といったものだ(FIFAのルールで審判への接触は禁じられているため、事の顛末は大会後に取材するしかないだろう)。
にもかかわらず自身がプレーするプレミアリーグのように腕を掴んでしまったロブレンは少々不用意とも言える。ギリギリのところで体を張らなくては守れないので、間違ったプレーとも言えないわけだが。