オジェック時代に停滞していた世代交代を一気に推進
5月12日にW杯に臨む23名の登録メンバーをまとめて発表した日本と異なり、段階的にメンバーを削っていく「ふるい掛け」式の選考過程を取ったオーストラリア代表。
まずは、5月14日、国内最終合宿に臨む30名を発表。26日の南アフリカとの壮行試合を1-1のドローで終えた後、3人をカット。27名で直前合宿の地ヴィトーリアに移動、開催国を除く参加国の中では一番乗りでブラジル入りを果たした。
その後、直前合宿の過程で4人が削られ、6月3日に大会登録の23名が出揃った。
アンジ・ポスタコグルー監督が、「世代交代」と「W杯に向けての強化」の2つの大きな責務を課せられ、解任されたオジェック前監督の後を襲ったのが昨年10月の終り。それから7ヵ月余りを経て、オジェック時代に停滞していた世代交代は一気に進んだ。
ポスタコグルーの揺るがぬ世代交代への思いは、当地最大のメディアグループであるニュース・リミテッド傘下の各紙に折り込まれたW杯特別冊子に寄稿した一文にもはっきり書かれていた。
「ブラジルに臨むサッカルーズは、若いチーム。私は、よく『なぜ黄金世代(筆者注: 厳密な定義はないが、ビドゥカ、キューウェルなど主に06年W杯出場時の主力の世代)からの世代交代を選択したのか』と聞かれる。
答えは簡単だ。我々に選択の余地はなかった。私は、選ばれた若い選手たちの能力を信じているし、今まで(監督のキャリアの中で)若い選手にチャンスを与えてきたことで悪い思いをしたことは一度もない」と、若い選手の積極的な登用での世代交代の正当性を主張する。