【写真:Getty Images】
U-24日本代表は7月31日、東京五輪(東京オリンピック)・男子サッカーの準々決勝でU-24ニュージーランド代表と対戦。日本は堅守を誇る相手に手を焼き120分間を0-0で終えることになったが、PK戦でGK谷晃生が活躍したこともあり、PKスコア4-2でベスト4入りを決めることになった。
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その準決勝でU-24日本代表が対戦するのはU-24スペイン代表だ。ペドリ、ミケル・オヤルサバル、ダニ・オルモ、パウ・トーレス、マルコ・アセンシオら欧州トップレベルで活躍する選手を多く揃える同国は今大会の金メダル候補筆頭。五輪直前の強化試合では1-1のドローだったが、準決勝ではこの時よりも遥かにレベルアップしてU-24日本代表の前に立ちはだかると予想される。
今大会におけるスペインと日本は簡単に言えばよく似ている。とくに攻撃面。基本先発メンバーの中に得点量産を期待できる純粋なストライカーがおらず、強みとしているのはいわゆるアタッカーの選手。(久保建英、堂安律、オルモ、オヤルサバルなど)。得点力という意味では両チームともやや不足しており、スペインは今大会、準々決勝U-24コートジボワール代表戦以外で複数得点できておらず、日本も南アフリカやニュージーランドに攻撃面で苦労を強いられた。
そしてお互いに守備が堅い。日本はここまでわずか1失点。スペインはコートジボワール戦でこそ複数失点を喫したが、その他の3試合では複数失点がない。
上記のことを踏まえると、準決勝は派手なスコアにならないことが予想される。1-0や2-1といった結果になる確率は決して低くないはずだ。
もちろん、終盤まで0-0という状況が続くことも十分あり得る。そこで日本が相手と差をつけるために重要となるのは、切り札の存在と言えるだろう。
森保ジャパンでは久保と堂安の両者が中心として攻撃を支えている。この二人は連係も良く、個の技術も高い。しかし、普段から世界トップレベルでプレーするスペインの選手の前では、久保と堂安が違いを作り出せる選手からただ上手い選手に変わってしまう恐れも否めない。
そうなると攻撃が機能しなくなるというのは、U-24ニュージーランド代表戦で改めて証明された。終盤はほぼ久保と堂安の“個”だけで、森保一監督の起用法は疑問だったが、途中交代の選手もほぼ機能していなかった。この試合では守備陣の奮闘に助けられたが、スペイン戦で同様のことが起きるとさすがに厳しいだろう。
スペインはU-24オーストラリア代表戦で途中出場のアセンシオが決勝点をお膳立て。そしてU-24コートジボワール代表戦では途中出場のラファ・ミルが圧巻のハットトリックと、“重要な場面”で切り札がきっちり仕事を果たしてきている。このあたりは日本との違いと言えるだろう。
もはや久保と堂安が警戒されるのは当たり前。彼らにすべてを期待するのではなく、ここにサプライズ的活躍ができる存在がいるかどうかで、スペイン戦の日本の運命は大きく変わるだろう。三好康児や前田大然、三笘薫らは改めて奮起しなければならない。
【了】