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なでしこジャパン、初戦→第2戦で不可解な采配。GK変更の謎…高倉麻子監督「第1GK、第2GKは決まっている」【東京五輪】

text by 編集部 photo by Getty Images

山下
【写真:Getty Images】



 サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)は24日、東京五輪のグループステージ第2節でイギリス女子代表に0-1の敗戦を喫した。

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 なでしこジャパンの高倉麻子監督は、初戦からスタメンを5人入れ替えた。その中にはGKも含まれていた。大きな国際大会の初戦と第2戦で先発GKを変更するというのは異例とも言える采配だ。

 大会直前までは山下杏也加が正守護神を務めると見られていた。ところが初戦となったカナダ女子代表戦のスタメンには池田咲紀子が名を連ね、1-1のドロー決着。グループステージ突破のために必勝を期して臨んだイギリス戦で山下が先発に復帰し、指揮官の采配に謎は深まるばかりだった。

 カナダ戦を終えた後、池田は「今日の試合に限らず、いつもどの試合でも、出る・出ないによって自分では準備の部分をあまり変えずに、いつアクシデントになっても出る機会があるポジションなので、気持ちと体の部分は常に準備はしていました」と語っていた。

 高倉監督は試合前日の記者会見で先発メンバーに関して「当日の昼に選手たちに伝える」という考えを明かしていたが、池田によれば実際には「昨日の段階で出るかなという感覚が自分の中であった」という。前日練習の内容で自分が初戦に先発することを悟っていた。

 そのうえで「私たち3人とも誰が出てもいいという関係性ではある」と話し、試合前にベンチスタートとなった山下と抱擁を交わし「頑張ってきてください」と声をかけられたという。

「(山下とは)もちろん同じポジションですごく感じるものも近かったりとか、同じポジションとして仲間なので、そういう同じところで励ましてもらったりとか、パワーをしっかりもらいました」(池田)

 一方、大事な初戦で先発から外れた山下は、イギリス戦後に「もちろん全ての試合に自分は出たかったですけど、結果決めるのは監督であって、自分はただスタメンであれば仕事をするだけで、いろいろなGKがいる中で、その選手が出たならば、それは仕方ないのかなと思います」と素直な思いを明かした。

 キックの際に右足をかばっているようにも見受けられたが、「体のコンディションだったり、けがは全然問題なく、左利きなので、右足であまり蹴っていなかったのかなと思います」と負傷を抱えている可能性を否定。これによって初戦で先発から外れたことの謎は深まるばかりだった。

 イギリス戦後の記者会見でGK変更の理由について問われた高倉監督は「第1GK、第2GKは決まっているところもある」と述べつつ、「チームの事情もあるので、今回は山下でいくことにしました」と言葉を濁した。

 負傷以外で大きな国際大会の期間中にGKを入れ替えることは珍しい。まだ不可解な点も多い采配だが、グループステージ突破のかかる27日の第3戦・チリ女子代表戦では誰がゴールマウスを託されるだろうか。この試合の動向で高倉監督の意図や、「決まっている」という第1GKと第2GKの立ち位置、あるいは別の傾向が見えてきそうだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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