U-24日本代表は17日、キリンチャレンジカップ2021でU-24スペイン代表と対戦し、試合は1-1の引き分けに終わった。4試合連続ゴールという良い流れで東京五輪本番に臨む堂安律は、久保建英との連係に自信を覗かせる。2人の強力なコンビネーションが、U-24日本代表がメダルを獲得するための絶対条件になりそうだ。(取材・文:元川悦子)
優勝候補との一戦で得た収穫
U-24スペイン代表は先のユーロ(欧州選手権)2020でベスト4入りしたA代表で主力のウナイ・シモン、ダニ・オルモに加え、オーバーエージ(OA)枠のマルコ・アセンシオやダニ・セバージョスら豪華タレントを先発起用してきた。22日開幕の東京五輪で53年ぶりのメダル獲得を目指すU-24日本代表にとっては、まさに申し分ない相手だった。
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「本当に優勝候補筆頭だと思いますし、そういう国とやることで自分たちの現在地が見られる。メリットしかない。連係・連動も大事ですけど、押し込まれる展開も増えてくる中で自分個人として何ができるかをもう一度、確かめたい」と久保建英も試合前に強調していたが、日本にとっては本大会の前哨戦と言える重要な一戦だった。
吉田麻也らOA3人が6月に加わってからというもの、日本はU-24ガーナ代表、ジャマイカ代表、U-24ホンジュラス代表と戦っているが、いずれも彼らが主導権を握って危なげない試合運びをする形だった。が、久保が目論んだ通り、今回は序盤から一方的にボールを握られる展開を強いられた。
開始10分間の支配率は日本の24%に対し、スペインは76%。森保一監督体制発足後では、2019年アジアカップのサウジアラビア代表戦で相手に71%のポゼッション率を許したことがあるが、それを上回る劣勢は初めて。ピッチ上の選手たちは前線からのプレスがかからず苦しんだが、吉田や冨安健洋ら最終ラインが体を張ってピンチを阻止。若き守護神・谷晃生も15分のラファ・ミルの強烈シュートをセーブするなど、最後のところで相手を跳ね返し続けた。
「(インサイドハーフの)10番(セバージョス)と8番(ミケル・メリーノ)がボールを受けて前を向くとかなり脅威だと思っていたので、そこを僕らセンターバック(CB)が注意する、もしくはボランチを使いながらマークをするところを意識していた。それでも何回かはがされたが慌てずに対応できた」と吉田は分析していたが、押し込まれながらも耐え抜くことができたのは、五輪本大会に向けて大きな収穫と言える。
とはいえ、そうやってブロックを敷いて自陣を固めているだけでは勝機は見出せない。こうした苦しい状況の中、久保と堂安律のレフティーコンビが輝きを放った。