【写真:Getty Images】
U-24日本代表は17日にキリンチャレンジカップ2021でU-24スペイン代表と対戦する。
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東京五輪に向けた最後の強化試合であり、優勝候補との一戦を前に記者会見に臨んだU-24日本代表の森保一監督は「選手たちには自信を持って試合に勝つために臨んでほしいと思います。東京五輪に向けても、世界のトップレベルとの戦いの中でスピード感やテクニックからいい刺激を受けて、東京五輪に向けて自信となる準備をしてほしい」と語った。
スペインとの対戦ということで、注目されるのはMF久保建英の活躍だ。バルセロナの下部組織在籍歴があり、現在もスペイン1部リーグでプレーしている。対戦相手にはかつて共に戦ったチームメイトたちも多い。
久保はU-24日本代表で攻撃の中心を担う存在でもあり、森保監督も「常に成長、進化していることは代表活動や、彼のピッチ上の活動、試合を通して見て、感じさせてもらっています」と実力を高く評価し、信頼を置いている。
「日本でいい指導者にめぐりあって、そして本人の努力もあって成長していったなかでスペインに渡り、非常に厳しい環境のなかでまた成長につなげていたと思っています。そこからまた日本に戻ってきて、競争を勝ち抜く覚悟というか、その(与えられた)環境のなかで自分の力を出すことを自然に身につけられたと思っています。彼がサッカーを好きだというのはもちろんわかっていますけど、競争を勝ち抜いていかなければいけないというメンタリティは、彼の中に自然と備わっているのかなと思います」
少しでも不足があると思われれば即座に淘汰され、頻繁に選手の入れ替えが起こる。スペインではユース年代でも非常に厳しい生存競争が繰り広げられている。久保はその中で過ごし、個のクオリティを高めながら頂点にのぼり詰めるための精神力を身につけて日本に帰ってきた。
そして17歳でFC東京の重要な戦力となり、18歳になると同時にレアル・マドリードへ移籍。その後は2年間でマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェと3クラブでのレンタル生活を送ってきた。
2020/21シーズンは前半戦をビジャレアル、後半戦をヘタフェの一員として戦い、久保にとっては満足なチャンスを得られない苦しいシーズンになったのは間違いない。だが、森保監督は難しい状況に置かれても、日本の至宝は着実に成長してきたと感じているようだ。
「昨季は非常に難しいシーズンだったと思いますけど、攻撃力にプラスして、フィジカルや守備の部分、総合的に彼の能力は伸びていると思っています。難しい中でもチーム内で与えられたことと要求されたことをしっかりこなしていくこと、現代サッカーのなかで攻守が絶対的に必要だということ、インテンシティ高くプレーする中で自分の技術を生かしていく、攻撃力を生かしていくことを非常にしっかり整理して、いい形で成長していると思います」
久保は森保監督の見立て通りの成長を、東京五輪で優勝候補のスペイン相手に発揮できるか。きっと本人も静かに闘志を燃やしているはずだ。
(取材・文:舩木渉)
【了】