(1)攻守の切り替えの素早さ
日本代表が対戦するコスタリカ代表は“仮想コロンビア”と見られている。確かに中米と南米という地区の違いはあっても、カリブ海を囲む国の文化や身体的な特徴は似ているが、現代表のスタイルはどうだろう。コロンビアとの共通点と相違点をあげながら、コスタリカの特徴をまとめてみたい。
コスタリカはもともと中盤のパスワークを軸としたテクニカルな攻撃サッカーを好む国だ。しかし、コロンビア人のピント監督はメキシコや米国といった対戦相手との力関係、ブライアン・ルイス、キャンベルなどアタッカー陣にハイレベルな選手が台頭している事情を踏まえ、最終予選では引いた守備からのカウンターを多用した。
相手の特徴に合わせて5バックと4バックを併用する形を取るが、基本的には前線に素早く縦のボールを入れ、高速ドリブルやスルーパスからの飛び出しでシュートに持ち込む形を優先的に狙っている。コロンビアに比べると全体のライン設定が低くなりがちだが、ボールを奪ったところからの素早い切り替えと攻撃スピードは共通するところがある。
もっともFWとMFがダイナミックに絡むコロンビアに比べると、コスタリカは前線にボールが渡ったら個人技に頼る傾向が強い。カウンターと言っても相手の守備が少し崩れている場合と完全に崩れている場合、起点の高さの違いもあるが、コロンビアの方がより多くのシチュエーションでチャンスに持ち込む可能性がある。
日本代表にとってコスタリカの攻撃はある程度読みやすいが、少しでも油断するとブライアン・ルイスやキャンベルの仕掛けで一気にバイタルエリアまで持っていかれる。2人もシュートレンジが長く、マークをかわし際に狙ってくるので、DFラインはもちろんGKも集中してシュート対応に備えたい。