日本代表は15日、カタールワールドカップアジア2次予選でキルギス代表と対戦し、5-1で勝利した。日本代表はJリーグでプレーする7選手を先発起用し、オナイウ阿道は初ゴールを含むハットトリックの活躍。小川諒也や坂元達裕、途中出場の古橋亨梧もアシストを記録した。多くの選手を抜擢した2次予選は、本当の意味での戦力の底上げにつながったのだろうか。(取材・文:元川悦子)
同世代が演出したオナイウ阿道のゴール
5月28日の2022年カタールワールドカップアジア2次予選・ミャンマー代表戦から始まった日本代表5連戦も15日のキルギス代表戦がラスト。ここまでさまざまな選手や組み合わせを試してきた森保一監督だが、今回は代表初スタメンのオナイウ阿道と坂元達裕を含む国内組7人を先発起用。彼らが最終予選で戦えるのかを見極めることが最重要テーマとなった。
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2019年11月に敵地・ビシュケクで対峙した際には2-0で勝利するのがやっとだったが、今回はホーム。しかも、相手に新型コロナウイルスの陽性者が発生。GKを本国から追加で呼び寄せるという混乱に見舞われたこともあり、明らかに日本代表が有利だった。
案の定、序盤から日本代表がゲームを支配。最前線に陣取ったオナイウがシュートの雨嵐を降らせる。それがなかなか決まらず、嫌なムードになりかけた前半26分、山根視来のクロスにオナイウが飛び込む。シュートは右ポストを叩いたと思いきや、相手のハンドが発覚。PKが与えられ、背番号15が自ら蹴り込んで待望の代表初ゴールを挙げる。そこから6分間の間に彼は2点を叩き出してハットトリックを達成。大迫勇也の穴埋め役に名乗りを上げたのだ。
この2点目をお膳立てした川辺駿のドリブル突破とラストパスも見事だった。3列目からの飛び出しは彼の真骨頂だが、オナイウとはユース代表時代も共闘していて、感覚的に合わせやすかったのもあるだろう。
「横パスを自分の前につけて、そのままチャンスがあったので上がっていきました。DFも来ましたけど、うまく抜け出してGKとDFに間にいいボールをつけられた。阿道が入ってくるのは分かっていたし、出す瞬間にうまく裏を取ってくれた」
川辺はアシストのシーンをこう振り返った。やはり同世代ならではの関係性が生み出した一撃だったと言っていい。
3点目も小川諒也の絶妙のクロスにオナイウがヘッドで反応した形。実はこの2人も2016年リオデジャネイロ五輪代表候補合宿でプレーしたことがある。短時間でも一緒にプレーしたことがあれば、出し手と受け手の呼吸は合わせやすい。過去の年代別代表活動というのはやはり意味があるのだ。