【写真:Getty Images】
日本代表は11日にセルビア代表との国際親善試合に臨む。
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今回の合宿中に組まれている中で、最もレベルの高い相手と目されるのがセルビア代表だ。本来の主力メンバーはほとんど来日していないが、それでも欧州の主要国1部リーグでプレーしている選手が数多く選出されている。
日本にとっては重要なテーマが目白押しの一戦になる。負傷を抱えたFW大迫勇也のチーム離脱が9日に発表され、エースストライカー不在でセルビア戦を迎えることに。また、相手チームは直近のジャマイカ代表戦で可変システムを実践しており、守備でも難しい対応が求められる。
10日に試合前日のオンライン会見に出席した日本代表の森保一監督は「もちろん存在が大きいので、大迫がいないのはチームにとっても痛いことではありますが、彼がいつもいてくれることにはならないかもしれない」と述べる。
そのうえで「大迫がいない時のチームの戦い方を、ここでまた作っていくことはチームにとってプラスだと思います」とエース抜きでも力を発揮できるチーム作りのチャンスと捉えているようだ。
「タイプは同じではないかもしれないですけど、たくさんいいFWがいると思いますし、そういう選手に経験を積んでもらったり、選手たちに連係を合わせてもらいながら、カタールワールドカップのアジア最終予選、その先への我々の戦い方の幅を広げる、チーム力を上げるいい機会だとポジティブに捉えています」
もう1つの重要テーマは、相手の可変システムへの対応になる。今回のセルビア代表は、4-1-4-1でジャマイカ戦に臨み、中盤アンカーのMFネマニャ・グデリがディフェンスラインに落ちて擬似的に3バック状態を作る形でビルドアップをサポート。前半はこうした可変システムで戦い、後半は3月と同様の3バックに変更した。試合中に複数のシステムを使い分ける柔軟性が光っている。
「前から(プレッシャーをかけに)いくか、ブロックを作るかは状況しだいで考えていきたいと思いますけど、相手の中盤のグデリだったり、ディフェンスラインの起点の部分を、明日の試合ではしっかり潰せるようにしたいと思います。
でなければ前線にいいボールを配球されてさらに苦しむことになると思いますので、いい守備をできるように、そこから攻撃に移っていけるように、ということは、これまでやってきたことを相手の形に対応しながら抑えていけるようにしたいと思います」
3月のポルトガル代表戦では鋭いカウンターから2ゴールを奪った。同月のアイルランド代表戦でも速攻から得点している一方、今回のチームはややポゼッション志向が強く、全くの別物。いつも以上に柔軟な対応力が求められる。
MF南野拓実も「アンカーが(ディフェンスラインに)引いてくる相手に対して、こっちのフォーメーションがミスマッチになった時にどこまでチームとして(プレッシャーを)ハメていくかというのは、次の試合で1つの重要なポイントになるんじゃないかと考えています」と語る。
まだチームとしてどう意思統一するかは前日ミーティングと練習で決めていくようだが、「個人的には、1つのポイントになるのは両サイドハーフのプレッシャーのかけ方かなと感じている」と南野は言う。まさに彼自身のポジションがカギになるということだ。
最近は大差がついて課題の出にくい試合が続いていた。セルビア戦は9月から始まるカタールワールドカップのアジア最終予選に向けて、重要な試金石となりそうだ。
(取材・文:舩木渉)
【了】