J2の台風の目となっている長崎
長崎旋風が止まらない。11節を終えてのV・ファーレン長崎の成績は6勝3分2敗で堂々の3位。勝ち点は2位のガンバと並ぶ21。今や長崎はリーグ全体を面白くしている台風の目だ。
「何で長崎は勝ってるの?」
4月に入った頃からだろうか、長崎に密着取材している私はこのような質問をたくさんの人から受けるようになった。
これまで長崎と対戦したチームの監督は「プレスが厳しかった。間、間を攻めていくことが大事だった」(吉田靖・ロアッソ熊本監督)、「長崎は非常にタフなチーム」(山口素弘・横浜FC監督)、「(2月に行ったTMと比較して)全体のプレッシャーや連動などができており、結果にも表れていて良くなってるという印象です」(財前恵一・コンサドーレ札幌監督)と前線からのアグレッシブな守備を長崎の特長として挙げる。
長崎の選手も同じように「まずは前からハードワークするんで、それが良い攻撃に繋がっている」(前田悠佑)、「(怪我のために)外から見ていたけど、積極的な守備が勝てている原因だと思うし、昨年自分がいた町田が勝てなかったので、逆によくわかる。ハードワークしているのがすごい」(幸野志有人)と分析する。
チームを率いてきた高木琢也監督は「不思議な気持ち」「実力と順位は反比例することもある」と謙遜し「頑張りには感謝している」と選手の労をねぎらうが、もはやハードワークとチャレンジャーの持つ謙虚さだけが勝因だと言える順位ではない。
シーズンに入って1ヶ月がたった3月末頃、高木監督に対して現在のチームの完成度について尋ねると「もちろん全く満足はしていないが、思ったよりも早く(高木監督の考えるスタイルのサッカーが)浸透している」と話していたことがある。