若くして才能を披露して高く評価された選手が、そのままスター選手として活躍し続ける保証はない。怪我やプレッシャーに苦しみコンディションを落とす選手がいれば、ピッチ外での問題で活躍の場を失っていく選手も多い。今回は大きな期待を背負いながらも、大舞台から姿を消したブラジル人選手を紹介する。
怪我さえなければ今頃は…
【写真:Getty Images】
FW:アレシャンドレ・パト
現所属クラブ:オーランド・シティ
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12歳でインテルナシオナルの下部組織に入団したアレシャンドレ・パトは、すぐにその才能を発揮し「クラブ史上最高の逸材」と称されるように。トップデビューはわずか17歳だった。そして、2006年にはFIFAクラブワールドカップ参戦のため来日。準決勝アル・アハリ戦で「肩ドリブル」を披露しスタジアムを沸かせるなど、日本人にもよく知られた存在となった。
そのパトは2007年に強豪ミランへ移籍。年明けの2008年にセリエAデビューを果たすと、そこからわずか半年間で9得点を奪うなどインパクトを残した。そして2年目にはセリエAだけで15得点を叩き出し、同リーグの年間最優秀若手選手賞を受賞。その後も快速自慢のブラジル人ストライカーはコンスタントに結果を残すなど、ミラニスタのハートをガッチリ掴んでいた。
しかし、今思えばパトのキャリアはミランでの3シーズン目あたりから狂い始めていた。2010年1月に肉離れを起こすと、そこからは負傷離脱の連続。2011/12シーズンは怪我やコンディション不良の問題で計166日間戦列を離れているというデータが出ており、翌2012/13シーズンもパトがピッチに姿を現す機会は限られた。こうしてミラン内での存在感がどんどん薄れていたパトは、2013年の冬にコリンチャンスに移籍し母国復帰することに。ミランのレジェンドになり得た存在なだけに、なんとも残念な幕切れとなった。
欧州のトップレベルの舞台から消えたパトは、以降クラブを転々とすることに。コリンチャンス退団後にサンパウロへ渡り、そこからチェルシー、ビジャレアル、天津権建、サンパウロ在籍を経験。そして今季からは、アメリカのオーランド・シティに活躍の場を移している。なおパトは、先月2021シーズンの開幕を迎えたMLS(メジャーリーグ・サッカー)の第1節で先発に起用されたものの、80分に負傷交代。現在も離脱が続いている。
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