【写真:Getty Images】
日本代表は28日、カタールワールドカップのアジア2次予選でミャンマー代表に10-0の大勝を収めた。
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この試合で日本の8得点目を決めたMF鎌田大地は、国際Aマッチ3試合連続ゴールとなった。昨年10月から7試合連続で日本代表戦に出場している同選手は、すっかりトップ下の主戦に定着した感がある。
MF南野拓実をはじめとした前線の選手たちとの連係もスムーズで、直近3試合で3得点2アシストと決定的な活躍を披露してきた。
しかし、本人はあくまで冷静だ。ミャンマー戦は公式記録上でシュート1本となっており、「自分でシュートを打てるシーンはもちろんあったと思うし、もっとうまくできたと思います」と述べる一方、「フランクフルトでもずっとこんな感じでプレーしていますし、『ザ・トップ下』というより、ちょっと低め(ポジション)に動いて、周りの選手が生きるような形でやっていたので、あんなものなのかなと思います」と特段フラストレーションを溜めていたわけではない。
そして「トップ下としてそこまで自分を得点力のある選手だと思っていない。うまく周りを活かしながら、その割に点が取れるくらいだと思うので、あんな感じかなと思います」と、客観的に自己分析していた。
とはいえゴールに直結する結果を残し続けている。今季はドイツ・ブンデスリーガ1部のフランクフルトでリーグ戦5得点12アシストと、ゴール数をアシスト数が上回った。一方で、ベルギー1部のシント=トロイデンVVでプレーしていた2018/19シーズンにはリーグ戦で15得点7アシストとゴールを量産していた。
「もっと点が取れたらいいなとは思いますけど、僕自身のプレーは毎年結構変わっちゃうので。ゴールを取れるシーズンもあったり、ゴールが取れないシーズンもあって、アシストが多いシーズンがあったりだとか。今季、ゴールを(もっと多く)取れていたならシュートを思い切って打っているだろうし、僕自身のプレースタイルが年によって変わっちゃうので、という感じだと思います」
置かれた環境によってプレースタイルを変え、様々なポジションにも柔軟に対応できるのが鎌田の持ち味でもある。シント=トロイデンVV時代に日本代表でプレーしたら、もっとストライカーに近いパフォーマンスになっていたかもしれない。今の彼の動きは、クラブでの役割がある程度反映されたものと言えるだろう。
フランクフルトで尖った特徴を持つクオリティの高い選手たちとともにプレーし、その中で自分を客観視することによって手応えをつかんでいる。世界のトップクラスと比較しながら「何かが突出しているわけではないですけど、総合値は普通の選手より上」という自己評価は、自信のあらわれではないだろうか。
6月に予定されている4試合では、14得点を奪って大勝したモンゴル代表や、今回のミャンマー代表よりも実力で勝る相手と戦うことになる。その中で、トッップ下・鎌田は日本代表のキーマンになるはず。クラブとは違った新たな自己評価を獲得できるような、決定的な活躍に期待大だ。
(取材・文:舩木渉)
【了】