【写真:Getty Images】
日本代表は28日に予定されている2022年カタールワールドカップ・アジア2次予選のミャンマー代表戦に向けて合宿を行っている。25日のオンライン取材には、東京五輪世代のDF板倉滉が登場した。
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マンチェスター・シティからの期限付き移籍でオランダ1部のフローニンゲンに所属している板倉は、今季のリーグ戦で全試合フル出場を達成した。今季の同リーグで全試合にフル出場したフィールドプレーヤーは、板倉の他にAZアルクマールのオランダ代表DFオーウェン・ワインダルのみ。過密日程になりがちな中で大きな怪我もなく、安定した活躍を見せ続けて快挙を成し遂げた。
フローニンゲンは18チーム中7位に入り、板倉はクラブ年間最優秀選手賞も受賞。シティからのレンタル3シーズン目にして、キャリア最高とも言える1年を過ごした。
もともと「シーズン前からそこを目標にしてやっていた」というリーグ戦全試合フル出場について、板倉は「やっぱり1年間試合に出させてもらって、それが自分の自信になった」と語り、「この先の自分にとってもすごく大きな1年」と充実ぶりも口にした。
守備に対する意識も、フローニンゲンで大きく変わった。もともとビルドアップ能力が高く評価されており「日本にいる時は、後ろの選手だったんですけど、どちらかというと攻撃のことばかり、どうにか自分で(ボールを)持ちたいとか、うまく崩していきたいとか、そういうことばかり考えていた」という板倉は、センターバックとしてオランダリーグでも屈指の選手に成長した。
「やっぱり自分より強い相手、速い相手もたくさんいたので、そういう相手にどう対応していくかという駆け引きも楽しんでやっていましたし、(センターバックは)本当にやられたらダメなポジションなので、とにかくまずは目の前の相手に負けない、勝つことにフォーカスしてプレーしていたなと、1年を振り返ってすごく思います」
日本代表ではまだ存在感を出し切れていないが「とにかくこの1年間センターバックとしてやってきて、いろいろな相手と対峙してきて、いろいろなことを感じられたので、それをとにかくここで出す」と強い意気込みを持って帰国した。
ミャンマー戦の後はU-24日本代表に合流予定で、来月には東京五輪も控えている。ずっと中心選手として目指してきた大舞台に向けて「自分が引っ張っていかなければいけない自覚も持っていますし、自分が活躍しなきゃいけないという気持ちもある」と、板倉は気を引き締めていた。
来季の去就は不透明なままだ。現時点ではレンタル元のシティに戻る予定になっているが、フローニンゲンが再レンタルを求めるとの報道もあり、他のクラブに改めて貸し出される可能性も取りざたされている。いずれにしろシティとの現行契約は来季限りで、東京五輪後のシーズンは板倉にとって極めて重要なものになる。
オランダで自信を深め「今より上のクラブでやりたいですし、この1年間(全試合で)使ってもらって、この経験を踏まえた上でさらに自分がどれだけできるのかを試すいいタイミングだと思っている」と語る板倉に、シティで世界最高峰の競争に割って入るチャンスは与えられるだろうか。
日本人センターバックがプレミアリーグ優勝クラブのディフェンスラインで立場を確立できれば、それは新たな“快挙”になり、日本代表の未来にもつながっていくはずだ。
(取材・文:舩木渉)
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