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「僕はヘッドギアをかぶり続ける」。まるでチェフ、痛々しい事故からアーセナル戦躍動までのストーリー

text by 編集部 photo by Getty Images
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【写真:Getty Images】

【アーセナル 1-1 スラヴィア・プラハ EL準々決勝1stレグ】

 UEFAヨーロッパリーグ準々決勝1stレグ、アーセナル対スラヴィア・プラハが現地時間8日に行われた。アーセナルは86分にニコラ・ペペのゴールで先制したが、後半アディショナルタイムに追いつかれて引き分けている。

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 アーセナルは試合終盤までゴールネットを揺らすことができなかったが、決定機はいくつかあった。ブカヨ・サカがDFラインの裏を取ってシュートを放ち、アレクサンドル・ラカゼットがハーフライン付近でボールを奪ってGKと1対1を迎えた。39分には左サイドからのクロスをロブ・ホールディングが頭で合わせたが、GKオンドジェイ・コラーシュが弾き出した。

 この試合のセーブはこの1本だったが、コラーシュの身体を張ったプレーはスラヴィア・プラハに勇気を与えた。先述したサカのシュートは枠を捉えられず、ラカゼットのシュートはクロスバーに当たった。コラーシュが絶妙な間合いでシューターとの距離を詰め、コースを限定していたからこそ、シュートの多くが外れた。

 コラーシュはELラウンド16・2ndレグで負傷している。レンジャーズの選手の右足が顔面にヒットする痛々しい事故だった。患部を10針縫い、頭蓋骨の一部は骨折していた。コラーシュはリーグ戦2試合を欠場したが、ヘッドギアとマスクを装着してアーセナル戦で復帰した。

「トレーニングを通じて(マスクとヘルメットをしていても)プレーが制限されないのは分かった」と試合後にコラーシュは話している。しかし、マスクを着けてプレーした選手が視野の確保に苦労するという話は多い。コラーシュのプレーに影響がなかったはずはないが、「アーセナル戦のようなビッグマッチを逃したくなかった」と、強行出場に踏み切った。

「8~9週間でマスクは取れると思うけど、僕は残りのキャリアでヘルメット(ヘッドギア)をかぶり続ける」

 チェコ代表でもプレー経験のあるコラーシュの風貌は、同胞のペトル・チェフを彷彿とさせた。ゴール前での圧倒的な存在感は、アーセナルでも活躍したチェフが乗り移ったかのようだった。

【了】

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