【写真:Getty Images】
なでしこジャパンは8日、国際親善試合でパラグアイ女子代表に7-0で大勝した。
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両チームの力の差は歴然だった。先月30日にモンゴル代表を14-0で下した男子日本代表のような快勝になってもおかしくない、圧倒的なハーフコートゲームを展開した。しかし、数多くのチャンスがあったにも関わらず、ゴールは前半に3つ、後半に4つと決定力に物足りなさが残った。
高倉麻子監督も「ゴール前まで迫るシーンは前半から多く作れていましたけれども、なかなかゴールを割る数というのは、私自身はちょっと不満が残ります。そこの決定力はまだ課題かなと思います」と語り、表情は険しかった。
新型コロナウイルスの影響もあり2月にアメリカで行われたShe Believes Cup出場を辞退していたなでしこジャパンにとって、代表チーム相手の対外試合は約1年ぶり。実力差のあるチームと対戦したため、攻撃のリズムや連係の感覚を取り戻すには絶好の機会でもあった。
高倉監督は「結果的に7点入り、シュートを最後に決めきれなかったシーンでも、いいテンポでボールが動いて、崩しにかかったのはたくさん見られたかなと思います」と、攻撃の組み立てに関しては一定の手応えを感じているようだ。
しかし、チーム全体のパフォーマンスには満足していない。次のように続けた。
「やはり時間帯によってはちょっと停滞したり、全くテンポが上がらない場面も多くあったので、自分たちからそういうところを変えていく姿勢がもうちょっとあってもいいかなと思います。リーダーシップであったり、グラウンド上で何をすべきか、何をしていくかということを表現できる選手はまだまだ少ないと感じます」
決定力不足に関しても、高倉監督は「シュートに対して打ち込む意識というのがもっとあってもいい」と、きれいに崩さずとも貪欲にゴールを狙っていく姿勢の重要性を強調する。
「(決定力を欠いたことは)今日のゲームで選手たち自身も非常に強く感じていますし、決めてこそのサッカーだと思います。例えばいいゲームができても、フリーキック1本で負けてきているとか、クロス一発で負けてきていることがこのチームではたくさんある。その辺の自覚と責任みたいなものも、もっともっと強く持っていけたらいいのかなと思います」
東京五輪開幕まで残された時間は少ないが、「伸びしろ」であり、金メダル獲得のために伸ばさなければならないテーマはたくさん残されている。11日のパナマ女子代表戦で少しでも選手たちの意識に変化が生まれていることを期待したい。
(取材・文:舩木渉)
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