現在の日本代表のトップ下に求められる4つの役割
今月21日の午後から鹿児島での代表合宿がスタートしたが、練習の最初からザッケローニ監督は[4-2-3-1]の基本的な動き方を復習した。そこでトップ下のポジションに入ったのは大久保嘉人だった。
本田圭佑が後から合流する事情もあり、2日目の練習後に大久保は「前もやったし後ろ(トップ下)もやったけど、たぶん人数合わせ。今のところポジションは関係ないと思いますけどね」と語った。
彼の加入は1トップやウィングの候補にとっても大きな刺激になっているが、「(同じポジションに)誰がいても関係ないですね」と語る大久保のトップ下での起用は現実的なプランだ。
これまでは本田をベースとして、試合中に香川が左ウィングから中央にシフトする形がオプションだったが、大久保がここのポジションでしっかりはまれば“本田の代役”、あるいは流れを変えたい時間帯でプラスアルファの役割を期待できる。
現在の日本代表において、攻撃面でトップ下に求められる役割は大きく4つある。
(1)攻撃にタメを作る
(2)サイドに有効なスペースを作る
(3)1トップを高い位置にキープさせる
(4)フィニッシュに直接的に絡む
本田はこれらをハイレベルに満たす選手だが、香川は(1)が本田と同等、(4)に関してはそれ以上の働きが期待できるものの、(2)と(3)は本来の持ち味と異なる。味方のスペースを作るより、自ら使うことに優れた選手であるためだ。
ただ、相手ディフェンスのインテンシティーが落ちて来る後半途中であれば、(2)と(3)の状況が自然と生まれ、(1)と(4)を発揮しやすくなる。