真逆だった浦和と徳島。なぜ、ロドリゲス監督を招聘したのか?
少々、熱っぽくなってしまった。実はこの座標軸、各クラブの監督のチョイスが合っているか、合っていないか、の指標としても大いに使える。例えばJ1のボール支配率(縦軸)×正味時間(横軸)で浦和レッズは左下のゾーンにいた。そこで浦和は今年から徳島のリカルド・ロドリゲスを新監督して招聘している。
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では、徳島の位置はどうだったのか。浦和の位置とはかけ離れた右上のゾーンにいたではないか。確かにロドリゲス好みの選手を集めたとはいえ、浦和を右上のゾーンに持っていくのは並大抵のことではない。もし筆者が浦和の強化部にいたとすれば、「ロドリゲスは合わないのではないでしょうか?」と間違いなく進言する。
一方で徳島はロドリゲスの後釜として同じスペイン人のダニエル・ポヤトスを迎えた。この人選には「J1でも同じスタイルで」といった一貫したコンセプトが感じられる。このように各クラブのファン、サポーターはこの座標軸を目安に、はたしてこの監督で合っているのか等々、ぜひ検証していただきたい。
名古屋グランパス、セレッソ大阪に覚える「違和感」とは?
さて、続いての座標軸はシュート数(縦軸)×パス成功数(横軸)とした。J1(図13)の座標軸を見ると上位クラブで右上のゾーンにいるのはまたしても川崎だけ。3位名古屋、4位セレッソ大阪にいたっては左下のゾーンにいる。
お互いシュート数が少なく、さらにパス成功数も少ないなかでこの順位。率直な感想が「この位置でどういった勝ち方をしているの?」となる。両クラブのコンセプトを想像するとすれば、流れの中からの得点よりも、セットプレーからの得点を重要視しているのでは? といった見立てができる。これも「違和感」によって想像力が掻き立てられる好例といっていい。
J2(図14)を飛ばして、J3(図15)の座標軸に目を向けてもらおう。何と秋田はパス成功数が18チーム中最下位、シュート数も平均以下で断然の左となっている。前記した図8の失点率(縦軸)×得点率(横軸)の座標軸を思いだしてほしい。秋田は右上のゾーンにいたはずである。これでどうしてJ3をぶっちぎれたのだろうか。
2つの座標軸から考えられるのは、つまり、失点が少ない=シュートは打たれない、シュート数が少ない=シュートを打てば入る、といった究極ともいえる効率的なフットボールを体現していた、ということだろう。
(文:庄司悟)
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