【写真:Getty Images】
現在開催中の全国高校サッカー選手権で多くのチームが強力な武器のひとつとして戦術に組み込み、大きな注目を集めているロングスロー。プロのトップレベルの舞台でこのプレーを得意とした選手として、必ず名前が挙がる存在が元アイルランド代表のロリー・デラップだ。
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ロングスローといえばデラップ、デラップといえばロングスローが連想されるほど、まさに“代名詞的”存在。その威力が特に発揮されたのは2006年から2012年まで在籍していたプレミアリーグのストーク・シティでのことだった。速く直線的なボールを確実にゴール前に送り込むデラップのスローは対戦相手にとって大きな脅威となり、直接的・間接的を含めて多くのゴールがその形から生み出された。
デラップの投擲力は、学生時代に槍投げのチャンピオンに輝いたことがあるという経歴にも起因している。そのスローの犠牲者となったアーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督が、スローインを廃止してキックインを採用することを提唱したという逸話も残されている。
ストークの本拠地ブリタニア・スタジアムはピッチの横幅が狭く、そのこともデラップのロングスローの有効性を高めていた。持ち前の武器を存分に活かすため、またコンパクトなサッカーを志向するためにも、ルール上許される最小限のサイズにまで意図的に横幅を狭めるラインを引いていたという。
その使用については様々な意見も飛び交う中で、9日に行われた高校選手権準決勝の2試合でもロングスローが猛威を振るった。帝京長岡をPK戦の末に下して決勝に進んだ山梨学院は2点目のゴールをロングスローによるアシストで記録。矢板中央に5-0で大勝した青森山田もこの武器を多用し、ロングスローに合わせたヘディングによるゴールが1つ、ロングスローを起点とした波状攻撃からのゴールが1つあった。