トップ下で先発もチャンスを作れず。アタランタの3ボランチに潰された本田
ロスタイムのラストプレーで、ブリエンツァが豪快なミドルシュートを左足でねじ込んだ。ホーム最終戦で格上のミランを破り、選手たちは優勝したかのように喜びを爆発させた。
「我われの敗因は、あのようなゴールが決まった事にある。そうでなければまずまずのゲームで、後半には修正して先制も出来た」
セードルフ監督は強気に語ってはいたが、そんな本人も前半のゲームプランの失敗は認めていた。双方に点が動いたのは後半からだったが、前半の劣勢は明らかだった。
前節のミラノダービーに勝利したセードルフ監督はシステムを踏襲。「ダービーで疲弊していた」ターラブに代わり本田を使って来た。しかし、アタランタのコラントゥオーノ監督はダービーの戦術を研究し、システムまで普段使っていない4-3-2-1に代えてミランの中盤に噛み合わせて来たのである。
裏をかこうとしていたつもりが、先回りされて対策を打たれた。本田はそんな采配の犠牲になってしまった部分がある。とはいえ本来のトップ下で起用されながら、チャンスを作りきれなかったことは残念だった。
アタランタは3ボランチを敷き、中央を固める戦略に出た。本田の前には、チガリーニが立ちはだかる。そしてカルモーナ、バセッリの両者にも寄せられ、スペースは常に消される。そんな中でキープをしようとすれば、たちまち狙い撃ちになる。早速2分、バセッリのプレスの前にボールをロストし、そのままシュートに持って行かれてしまった。