苦しんだトッテナム
スパーズの課題が浮き彫りになった。
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現地時間12月20日に行われたプレミアリーグ第14節、トッテナムはホームでレスター・シティと戦った。
リバプールは先週水曜日のスパーズとの激闘の後、中2日で迎えた土曜日のクリスタルパレスとの試合の前半は少し苦しんだが、大一番の直後のコンディション調整の苦労という意味では、トッテナムも同じだったかもしれない。
ジョゼ・モウリーニョ監督は、試合後、次のようなコメントを残している。
「我々はまったく上手くスタートできなかった。ピッチの上には空いたスポットがあった。そこでは態度、プレッシング、インテンシティに欠け、チームはそれに苦しんだ」
ここでモウリーニョの言う「空いたスポット」とは、どこかピッチ上の具体的なスペースのことではなく、個々の選手の試合に臨む「態度」や、「プレッシング」の弱さ、「インテンシティに欠け」ている様子を総合して表した造語のようなものだろう。
指揮官が言及したように、序盤のトッテナムは間延びしてしまい、強固な守備ブロックを構築することができなかった。前節のリバプール戦では、終了間際にロベルト・フィルミーノに劇的な決勝弾を許したが、少し精神的なダメージも引きずったのだろうか。
ソン・フンミン&ケイン封じ
もちろんレスターがトッテナム対策を講じてきたところもある。スパーズ得意のカウンターの起点となるソン・フンミン、ハリー・ケインは徹底的にマークされた。12分、最終ラインのエリック・ダイアーからソンへのパスはウィルフレッド・ディディにカットされ、32分に敵のセットプレーからスパーズがカウンターに転じようとすると、ケインをマーク・オルブライトンが結果的にイエローを貰うタックルで潰しに来た。そもそもポゼッション時にも、ソンに対しては右SBのジェームス・ジャスティンが張り出してきて警戒された。
何より力関係で劣らないレスターに対しては、例えばマンチェスター・シティのようなチームと対戦する時と比べ、ボールを持つ時間帯が増えた。モウリーニョが「少しアンラッキーだった」と振り返ったように、前半の終了間際に右SBセルジュ・オーリエが少し雑なタックルでPKを与え、先制点を献上した。
リードしたレスターは、後半に入ると最終ラインが6枚で引いて守る場面もあった。もちろんトッテナムがボールを保持して攻めたが、それは今季のスパーズが得意とする展開ではなかっただろう。
トッテナムの根本的な問題
59分にトビー・アンデルワイレルドのオウン・ゴールで追加点を許したが、その時点ではモウリーニョは諦めていなかった。71分の決定機でソンのシュートがカスパー・シュマイケルのビッグセーブで防がれていなかったら、また違ったと考えていたようだ。
しかし、根本的な問題は、引いてカウンターを狙う形が得意なスパーズが、相手に引かれたらどうするのか。リバプールのようにボール・ポゼッションの精度を高めていく必要もあるのかもしれない。また、ソンやケインが封じられた時のために、ステーフェン・ベルフワインやガレス・ベイルにも重点を置くなどして、カウンターのパターンを増やすことも必要になってくるだろう。
もちろん、特にポゼッションの精度を高めることは、一朝一夕に成し遂げられるものではない。当面は強固な守備の強度を取り戻すために、選手たちのコンディションを取り戻すリフレッシュが必要か。49分にはジオヴァ二・ロ・チェルソが太ももの裏を痛めて交代。個々の選手の疲労の蓄積は否めない。
今週の水曜日にはリーグ杯のストーク・シティ戦が控える。勝利を目指しつつ、ローテーションの場として上手く利用したいところだ。
(文:本田千尋)
【了】