【写真:Getty Images】
元イタリア代表FWのパオロ・ロッシ氏が64歳で死去したことが現地時間10日に伝えられた。先月末に亡くなったディエゴ・マラドーナ氏に続いて、また一人偉大なサッカー選手がこの世を去ることになった。
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ロッシ氏は1978年にヴィチェンツァでセリエA得点王に輝いたほか、ユベントスで2度のセリエA優勝を飾るなどクラブレベルでも活躍。だがレジェンドとしてサッカー界の歴史に名を残すことになった理由はやはり1982年FIFAワールドカップでの勇姿だろう。
21歳で出場した1978年ワールドカップでも3得点を挙げ、イタリアの準決勝進出の好成績に貢献した。だが順風満帆なキャリアを送るかに見えたところで、1980年にセリエAを揺るがした八百長スキャンダルによりどん底に突き落とされてしまう。
八百長関与の疑いで2年間の出場停止処分を受けたロッシ氏は、ワールドカップスペイン大会の直前に長いブランクから復帰したばかりだった。代表にも復帰してワールドカップに滑り込んだが、本大会1次リーグの3試合を無得点で終え、チームも3分けで辛うじて2次リーグへと進んだ。
2次リーグ最終戦では準決勝進出をかけてブラジル代表と激突。ジーコ氏やファルカン氏らを擁する優勝候補ブラジルに対して不利が予想されたが、ここでロッシ氏が劇的な復活を遂げる。チームの全3得点を叩き出し、セレソンを3-2で撃破する最大の立役者となった。
その勢いはもはや止まらず、準決勝のポーランド戦でもロッシ氏の2得点によりイタリアが2-0で勝利。西ドイツと激突した決勝でもロッシ氏が先制ゴールを挙げ、イタリア代表は1938年大会以来44年ぶりの世界一に輝いた。大会のラスト3試合だけで6ゴールを叩き出したロッシ氏はゴールデンシューズ(得点王)とゴールデンボール(MVP)に輝き、この年のバロンドール(欧州最優秀選手)も受賞することになった。