【写真提供:日本サッカー協会】
【日本 0-2 メキシコ 国際親善試合】
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日本代表は現地時間17日、オーストリア・グラーツで行われた国際親善試合でメキシコ代表と対戦し、0-2で敗北を喫した。
2020年最後の試合を黒星で終えることになった日本代表だが、このメキシコ代表戦では主に二つの課題が浮き彫りとなった。
まず一つは森保一監督の修正力だ。
日本代表は前半、攻守両面で相手を上回るパフォーマンスを披露している。試合中「間! 間!」という声が聞こえた通り、ボールを動かしながら相手も動かし、そこで生まれた人と人とのギャップを突きながら前進。何度か惜しいチャンスも作った。
しかし後半、ヘラルド・マルティーノ監督が修正を施す。エドソン・アルバレスを投入し、それまで1枚だった中盤底を2枚に増加。前半に主導権を握られていた中盤での強度をアップさせ、よりスペースを埋めることで日本のストロングポイントを消しにきたのだ。
するとメキシコ代表が面白いように息を吹き返す。それに対し森保監督は修正を上回る修正を用意できず、日本代表は相手の勢いに飲み込まれるままだった。そして63分、ついに失点。その5分後にも追加点を許し、0-2で敗れることになった。監督の力の差が如実に表れたと言わざるを得ない。
そしてもう一つの課題が、日本の長年の悩みである決定力だ。
先述した通り前半は森保ジャパンの狙いがハマっていた。そして、チャンスも作っている。しかし、鈴木武蔵がGKギジェルモ・オチョアとの1対1を外すなど、何度か迎えた決定機をすべて逃した。タラレバは禁物だが、良い時間帯に1点でも奪えていれば、試合展開はだいぶ変わっていただろう。ただ、そうした流れを結果に結びつけられないのが、日本代表の弱さである。森保監督も試合後に「得点を奪えれば違う展開になったと思います」と話したが、同情の余地がまったくないわけではない。
日本代表戦において、今やプレミアリーグ屈指のストライカーとなったラウール・ヒメネスの流れの中での存在感はあまり大きくなかった。しかし、同選手は63分に先制弾を奪取。ワンチャンスを確実にモノにし、ピッチを退いている。
日本代表にそうしたことを期待できるストライカーはいない。大迫勇也も点取り屋というタイプではなく、とくに日本代表の中では得点よりもポストプレーへの意識の方が強い。鈴木も決定力に乏しく、Jリーグでも得点ランキングの上位につけるのは外国人選手ばかり。今年の親善試合4試合で2得点、それも流れの中からの得点は「0」と、ストライカー不足は今まで以上に深刻だ。
サッカーは相手より点を多く取ったチームが勝つスポーツ。その「得点」を取ることを仕事とするFWが弱いチームが、強いわけがない。正直なところ、これでは森保監督以外の人物が指揮をしても変わらず苦戦するだろう。監督の交代を行うことで内容は良くなるかもしれないが、得点などという結果は期待できない。
もちろんメキシコ代表戦の敗戦すべてを決定力不足で片付けることはできない。しかし、本当にゴールに貪欲な選手が出てこなければ日本の苦戦は続くだろう。決定機を生かせずズルズル時間が過ぎ、相手に流れを渡し敗北。メキシコ代表戦で突きつけられた現実はあまりに厳しい。
(文:編集部)
【了】